「犬の遊び方って、ボールを投げるくらいしか思いつかない」「最近うちの子が退屈そうにしている気がする」——犬と暮らしていると、誰もが一度はぶつかる悩みですよね。遊びは単なる時間つぶしではなく、犬の心と体を健やかに保ち、飼い主さんとの信頼関係を深めるための大切なコミュニケーションです。
結論からお伝えすると、犬の遊び方に「これが唯一の正解」というものはありません。大切なのは、その子の年齢・犬種・体格・性格に合わせて遊びを選び、ルールを守って楽しむことです。引っ張りっこやかくれんぼ、知育トイなど、室内でも屋外でも楽しめる遊びはたくさんあります。
この記事では、犬が遊ぶ理由から、室内・屋外それぞれの具体的な遊び方、年齢や犬種別の選び方、そしてやりがちなNG行動まで、犬との毎日がもっと楽しくなる遊びの知識をまるごと解説します。今日からすぐ試せる内容ばかりなので、ぜひ愛犬との時間づくりに役立ててください。
・犬が遊びを必要とする本当の理由
・室内・屋外でできる具体的な遊び方の種類とコツ
・子犬・成犬・シニア犬で変わる遊びの正解
・小型犬と大型犬で違う遊びの選び方とやってはいけないNG行動
そもそも犬はなぜ遊ぶ?遊びが果たす4つの役割

遊び方の話に入る前に、まず「犬にとって遊びとは何なのか」を押さえておきましょう。理由がわかると、遊びの選び方がぐっと上手になります。
遊びは狩りの本能を満たす「疑似ハンティング」
犬が遊びに夢中になるのは、もともと狩りをして暮らしていた祖先の本能が今も残っているからです。ボールを追いかける、おもちゃを振り回す、引っ張り合う——これらはすべて、獲物を追い、捕らえ、仕留める一連の狩りの動作を再現したものです。だから多くの犬は、動くものを目で追い、咥えて振る遊びに本能的に強く惹かれます。とくにテリア種やレトリバー種など狩猟や回収の役割を担ってきた犬種は、この欲求が強い傾向があります。室内で過ごす時間が長い現代の飼い犬にとって、遊びは満たされにくくなった本能を健全に発散させる貴重な機会なのです。この欲求が満たされないと、家具を噛む・無駄吠えするといった形で「自己流の狩り」が出てしまうこともあります。
運動不足とストレスを発散させる役割
遊びには、体を動かしてエネルギーを消費させる役割もあります。散歩だけでは運動量が足りない犬も多く、とくに若い大型犬や運動量の多い犬種は、エネルギーが余ると落ち着きがなくなったり、夜中に走り回ったりします。引っ張りっこや持ってこい遊びで全身を使わせると、体力が適度に消費され、心地よい疲労感が生まれます。これは肉体的な発散だけでなく、退屈や欲求不満からくる精神的なストレスの解消にもつながります。雨で散歩に行けない日でも、室内遊びで5〜15分しっかり体を動かすだけで、犬の表情が落ち着くことは珍しくありません。「最近そわそわしている」と感じたら、遊びの量が足りていないサインかもしれません。

飼い主との信頼関係を深めるコミュニケーション
遊びは、飼い主さんと犬が一緒に楽しい時間を共有する最高のコミュニケーションです。一緒に遊んでくれる相手を、犬は「楽しいことをくれる信頼できるパートナー」として認識します。とくに引っ張りっこのように力を合わせる遊びは、「この人とは協力すると楽しい」という感覚を育て、絆を強めてくれます。さらに、遊びの中に「マテ」「ちょうだい」などの指示を混ぜると、しつけの練習が自然にできるのも大きな利点です。叱ってしつけるより、遊びの中で「指示に従うといいことがある」と教えるほうが、犬は前向きに学んでくれます。遊びは楽しいだけでなく、信頼としつけの土台を同時に育てる時間でもあるのです。
実は、犬は「勝つこと」より「飼い主さんと一緒に動けること」自体を喜んでいる場面が多いといわれます。意外と知られていませんが、引っ張りっこでわざと勝たせなくても、楽しそうに参加してくれるならその子はもう十分満足しているのです。「勝たせなきゃ」と気負いすぎる必要はありません。
脳を使わせて問題行動を予防する
遊びは体だけでなく、頭を使わせる効果も持っています。匂いを嗅いでおやつを探す、知育トイを工夫して開ける——こうした「考える遊び」は、犬の脳に適度な刺激を与えます。獣医行動学を専門とする茂木千恵先生によれば、知育玩具で犬が自分で考え工夫し、成功体験を積み重ねることで、思考力や問題解決能力を自然に引き出せるとされています。頭を使った犬は心地よく疲れ、満足感から落ち着いて休むようになります。実際、体を動かす遊びより、嗅覚や思考を使う遊びのほうが犬は深く疲れるといわれることもあります。退屈からくるイタズラや過剰な吠えに悩んでいるなら、運動量を増やすより先に「頭を使う遊び」を取り入れてみる価値があります。
室内でできる犬の遊び方7選|雨の日も運動不足を防ぐ
外に出られない日でも、室内でできる遊びはたくさんあります。スペースが限られていても工夫次第で十分に楽しめる、おすすめの遊び方を紹介します。
引っ張りっこ|信頼関係も育つ定番遊び
ロープやタオルを使った引っ張りっこは、室内遊びの王道です。両端を犬と飼い主さんで持ち、引っ張り合うことで全身運動になり、短時間でもしっかりエネルギーを発散できます。引っ張り合いには、力加減や「終わりの合図」を学べるトレーニング効果もあり、信頼関係づくりにも役立ちます。コツは、必ず「ちょうだい」「おしまい」などの合図で終わらせ、犬が興奮しきる前にクールダウンさせること。子犬や歯の生え変わり時期の犬には、強く引きすぎず力を抜いて遊んであげましょう。注意したいのは、唸ったからといって叱ってやめさせること。遊びの興奮による唸りと本気の威嚇は別物で、叱ると遊び自体を怖がるようになることがあります。楽しい雰囲気を保ったまま、合図で切り替える練習を重ねるのがポイントです。
宝探し・ノーズワーク|嗅覚で脳を刺激
おやつやおもちゃを部屋のあちこちに隠して探させる「宝探し」は、犬の優れた嗅覚を活かした遊びです。鼻を使う作業は犬にとって本能的に満たされる行動で、短時間でも深い満足感を得られます。最初は犬の見ている前で簡単な場所に隠し、「探して」の合図で探させましょう。慣れてきたら、別の部屋や少し高い場所など難易度を上げていきます。タオルを丸めた中におやつを包む、紙コップを伏せて隠すなど、身近なもので手軽に始められるのも魅力です。雨の日や留守番前のエネルギー発散にも最適で、体力に自信のないシニア犬でも無理なく楽しめます。ただし、おやつを使う遊びは1日の食事量を考えて与えすぎないよう調整してあげてください。
知育トイを「与えっぱなし」にしてしまうと、犬はすぐに飽きて見向きもしなくなります。新しいおもちゃを買ったのに数日で遊ばなくなった、という失敗の多くがこれです。知育トイは普段はしまっておき、遊ぶときだけ出して特別感を保つこと。中身を変える・難易度を変えるなど、毎回少しだけ新鮮さを加えると長く楽しんでくれます。
かくれんぼ|飼い主を探させる頭の運動
飼い主さんが部屋の隅や家具の陰に隠れて、犬に探させる「かくれんぼ」も室内向きの遊びです。名前を呼んで犬が来てくれたら大げさに褒めてあげると、「飼い主さんを探すと楽しいことがある」と学び、呼び戻しの練習にもなります。嗅覚と聴覚を使って探すため、頭の運動になり、運動量が少なくても満足度が高いのが特徴です。家族が複数いる場合は、別々の場所に隠れて順番に呼ぶと、より夢中になって楽しんでくれます。狭い家でも始められ、特別な道具がいらないのもうれしいポイント。子犬の社会化期に取り入れると、人を探す・近づくことを楽しい経験として覚えさせられます。
持ってこい(フェッチ)|室内版で運動量アップ
ボール遊びは屋外のイメージが強いですが、廊下やリビングなど直線が取れる場所があれば室内でもできます。柔らかいぬいぐるみや軽いボールを転がし、咥えて戻ってきたら「ちょうだい」で受け取る——この繰り返しが運動不足の解消と、指示への反応を育てるトレーニングを兼ねます。フローリングで滑ると関節に負担がかかるので、マットやカーペットを敷いた上で遊ぶと安心です。戻ってこない子には、戻ったら必ずおやつや次の投げで報酬を与え、「持ってくるといいことがある」と教えましょう。投げる距離は短くても十分。何度も往復させることで、限られたスペースでもしっかり体を動かせます。
屋外・お散歩でできる犬の遊び方|広い場所だからできること

屋外には、室内では味わえない開放感と運動量があります。安全に配慮しながら、外ならではの遊びを取り入れてみましょう。
ドッグランで思いきり走らせる
ドッグランは、リードを外して全力で走れる数少ない場所です。とくに運動量の多い中型犬・大型犬にとって、思いきり走る時間はストレス発散と体力維持に欠かせません。他の犬との交流は社会性を育てる機会にもなりますが、相性や性格には個体差があるため、最初は空いている時間帯を選び、様子を見ながら慣らしていくのが安心です。臆病な子や来たばかりの子は、いきなり多頭の中に入れず、まずは端のほうで匂いを嗅がせるだけでも十分。ボールやおもちゃを持ち込めるランなら、広い空間で持ってこい遊びをすると、室内の何倍もの運動量になります。利用前にワクチン接種などの利用ルールを必ず確認しましょう。
追いかけっこと「持ってこい」で全身運動
公園や河川敷など広い場所では、ロングリードを使った持ってこいや、軽い追いかけっこが楽しめます。屋外は距離を取れるぶん、室内よりはるかに運動量が確保できるのが利点です。ただし、飼い主さんが犬を追いかけると「逃げると追ってくる」と学習し、呼んでも戻らなくなることがあります。追いかけっこをするなら、飼い主さんが逃げて犬に追わせる形にしましょう。ロングリードは足に絡まると危険なので、人や他の犬がいない開けた場所で、長さを管理しながら使うのが鉄則です。交通量のある場所では絶対にリードを外さず、安全を最優先にしてください。
屋外遊びは「運動量が多い=良い」ではありません。夏場の地面は高温になり肉球をやけどする危険があるため、暑い時期は早朝や夕方以降の涼しい時間に。気温や路面温度を手で確かめてから遊ぶのが、安全に楽しむ基本です。
匂い嗅ぎ散歩(クンクン散歩)も立派な遊び
意外と見落とされがちですが、散歩中にゆっくり匂いを嗅がせる「クンクン散歩」も、犬にとっては立派な遊びです。犬は鼻から得る情報で世界を理解しており、匂いを嗅ぐ行為は脳を活発に働かせます。グイグイ引っ張って早足で歩く散歩より、立ち止まって好きなだけ匂いを嗅がせる時間を作るほうが、犬の満足度は高いことが多いのです。電柱や草むらでじっくり情報収集させてあげると、心が満たされ、帰宅後に落ち着いて休むようになります。運動が得意でないシニア犬や小型犬にとっては、匂い嗅ぎ中心のゆったり散歩こそ最適な「遊び」になります。時間に追われず、犬のペースに合わせる日を作ってみましょう。

知育トイで頭を使わせる犬の遊び方|脳トレで問題行動も減る
体を動かす遊びと並んで取り入れたいのが、頭を使う知育系の遊びです。短時間で深い満足感が得られ、留守番対策にも役立ちます。
知育トイの種類と選び方
知育トイには、転がすとおやつが出るボール型、隠したおやつを探す布製のノーズワークマット、パーツを動かして中身を取り出すパズル型など、さまざまな種類があります。獣医行動学を専門とする茂木千恵先生によれば、知育玩具には犬の退屈やストレスを軽減する効果が期待でき、自分で考え工夫する経験が思考力や問題解決能力を引き出すとされています。選ぶときは、まず犬が成功体験を積めるよう、簡単に中身が出るレベルから始めるのがコツ。難しすぎると諦めてしまうため、慣れに合わせて少しずつ難易度を上げていきます。丸飲みの危険がない大きさ・丈夫さかどうかも必ず確認しましょう。素材が硬すぎるものは歯への負担になることもあるため、その子に合ったものを選んでください。

おやつ探しゲームで嗅覚を満たす
知育トイがなくても、身近なもので頭を使う遊びは作れます。紙コップを複数伏せてひとつだけおやつを隠し、当てさせる「カップゲーム」や、ペットボトルにおやつを入れて転がすと出てくる手作りトイなど、アイデア次第で無限に広がります。こうした遊びは嗅覚と思考をフル活用するため、5〜10分でも犬はしっかり疲れて満足します。とくに留守番の前に頭を使わせておくと、エネルギーと欲求が満たされて落ち着いて待てるようになります。手作りトイを使うときは、誤飲を防ぐため必ず飼い主さんが見ている前で遊ばせ、壊れて小さくなった部品はすぐ片づけてください。安全に配慮すれば、お金をかけずに上質な脳トレが楽しめます。
遊びにしつけを混ぜて一石二鳥に
知育系の遊びは、しつけと組み合わせると効果が倍増します。たとえばおやつを出す前に「オスワリ」「マテ」を一度はさむだけで、指示に従う練習が自然にできます。「指示に従う→楽しいことが起きる」という流れを繰り返すと、犬は前向きに学習し、日常のしつけもスムーズになります。コツは、犬が飽きる前の短時間で切り上げ、「もっと遊びたい」というところで終わらせること。これによって次回の集中力が保たれます。逆に、長時間続けて飽きさせてしまうと、その遊び自体への興味が薄れてしまいます。1回5分程度を1日数回に分けると、メリハリがついて学習効率も上がります。遊びとしつけの境界をあいまいにするのが、賢く育てるコツです。
年齢で変わる犬の遊び方の正解|子犬・成犬・シニアの使い分け
同じ遊びでも、年齢によって適切な内容や強度は変わります。ライフステージごとの遊び方を押さえておきましょう。
子犬期|社会化と「噛む力加減」を学ぶ時期
生後数か月の子犬期は、遊びを通じて社会のルールを学ぶ大切な時期です。この時期の遊びは、運動より「いろいろな経験をさせること」が目的になります。人の手やおもちゃを甘噛みしながら、どのくらいの力で噛むと相手が痛がるかを学ぶ「噛み加減(バイトインヒビション)」も、遊びの中で身につきます。手を噛まれたら「痛い」と短く声を上げて遊びを中断し、噛む対象はおもちゃに切り替えましょう。骨や関節がまだ未発達なので、高い場所からのジャンプや激しい引っ張りは避けます。短い遊びを何度もくり返し、いろいろな音・人・場所に少しずつ慣らすことが、将来落ち着いた成犬に育てる土台になります。子犬はすぐ疲れるので、遊びすぎにも注意してください。
成犬期|運動量をしっかり確保する時期
体が成熟した成犬期は、もっとも運動量が必要な時期です。エネルギーが有り余りやすいため、引っ張りっこや持ってこい、ドッグランでの運動など、しっかり体を使う遊びを中心に組み立てます。運動量の多い犬種では、散歩だけでは足りず、遊びでの発散が欠かせません。発散が不十分だと、イタズラや要求吠えといった問題行動につながることもあります。一方で、体力があるからと毎日同じ激しい遊びだけを続けると飽きてしまうため、体を使う遊びと頭を使う遊びをバランスよく組み合わせるのが理想です。「今日は外で走り、明日は室内で知育トイ」のように変化をつけると、心身ともに満たされた状態を保てます。成犬期にしっかり発散させる習慣が、落ち着いた毎日をつくります。
シニア期|無理なく頭と心を満たす遊びへ
シニア期に入ったら、激しい運動よりも、頭を使ったり匂いを嗅いだりする穏やかな遊びへとシフトしていきます。関節や心臓に負担をかけない範囲で、ノーズワークやゆったりした匂い嗅ぎ散歩、軽い宝探しなどがおすすめです。体が思うように動かなくなっても、嗅覚を使う遊びなら最後まで楽しめ、脳の活性化にもつながります。大切なのは「もう年だから」と遊びをやめてしまわないこと。適度な刺激は、シニア犬の意欲や認知機能の維持に役立つといわれます。短時間でも毎日続け、その子の体調に合わせて強度を調整してあげましょう。歩き方や呼吸に普段と違う様子が見られた場合は、無理をさせず、気になるときは獣医師に相談すると安心です。
犬種情報の基準を確認したいときは、純粋犬種の登録・管理を行うジャパンケネルクラブ(JKC)が参考になります。また、適正な飼養については環境省の動物愛護管理のページも一次情報として役立ちます。
犬種・サイズ別の犬の遊び方の選び方|小型犬と大型犬は違う
同じ「遊び」でも、犬種や体格によって向き不向きがあります。その子の特性に合わせて選ぶことで、満足度も安全性も高まります。
小型犬|短時間でも満足できる遊びを
チワワやトイプードルなどの小型犬は、体が小さいぶん、室内の短い距離でも十分に運動できます。激しいジャンプや高所からの飛び降りは、細い足腰や膝に負担がかかるため避けたいところ。床が滑ると関節を痛めやすいので、マットを敷いた上で遊ぶと安心です。小型犬は知能が高く好奇心旺盛な子も多いため、知育トイや宝探しなど頭を使う遊びとの相性が良好です。運動量はそれほど多くなくても満たされやすいので、5〜10分の遊びを1日数回に分けるスタイルが向いています。体は小さくても遊びへの意欲は旺盛なので、「小さいから運動はいらない」と決めつけず、その子のペースで楽しませてあげましょう。
中型犬・大型犬|しっかり走らせて発散を
ボーダーコリーやラブラドール・レトリバーなどの中型・大型犬は、運動量が多く、しっかり体を動かす遊びが欠かせません。室内遊びだけでは発散しきれないことが多く、ドッグランや広い公園での持ってこい、ロングリードを使った運動などを組み合わせる必要があります。とくに牧羊犬や使役犬のルーツを持つ犬種は、頭を使う仕事を求める傾向が強く、知育トイや指示を交えた遊びで「仕事」を与えると満足します。発散が足りないと、有り余ったエネルギーがイタズラや吠えにつながりやすいので注意が必要です。大型犬は遊びの勢いで人にぶつかると危険なため、興奮しすぎたら落ち着かせる練習もセットで行いましょう。
犬種のルーツから遊びの好みを読み解く
犬種ごとの「もともとの役割」を知ると、好む遊びが見えてきます。レトリバー種は獲物を回収する仕事をしていたため持ってこい遊びが大好きで、テリア種は穴を掘って獲物を捕る習性から掘る・咥える遊びに夢中になります。牧羊犬種は動くものを追う本能が強く、ボールや動くおもちゃによく反応します。嗅覚ハウンドなら、匂いを使ったノーズワークがぴったりです。もちろん同じ犬種でも個体差はありますが、ルーツを手がかりに遊びを選ぶと、その子が本能的に喜ぶ遊びに出会いやすくなります。愛犬がどんな動きに目を輝かせるかをよく観察し、得意な遊びを見つけてあげるのが、満足度を高める近道です。
【プロドッグ調べ】遊びのタイプ別・特徴比較
代表的な遊びを「運動量・頭の使用度・必要時間・向いている犬」で整理しました。その日のコンディションや目的に合わせて選ぶ参考にしてください。
| 遊びの種類 | 運動量 | 頭の使用度 | 向いている犬 |
|---|---|---|---|
| 引っ張りっこ | 多い | 中 | 全年齢・元気な子 |
| 持ってこい | 多い | 中 | 中・大型犬 |
| 宝探し・ノーズワーク | 少なめ | 高い | 全年齢・シニア |
| 知育トイ | 少なめ | 高い | 留守番前・小型犬 |
| かくれんぼ | 中 | 中 | 全年齢・雨の日 |
※プロドッグ調べ。運動量・頭の使用度は一般的な傾向であり、個体差があります。
やりがちなNGな犬の遊び方|逆効果になる5つの落とし穴
良かれと思ってやっている遊びが、実は犬にとって逆効果になっていることがあります。よくある失敗を知って、避けていきましょう。
興奮させすぎて「噛む・吠える」につながる
遊びを盛り上げようと興奮を煽りすぎると、犬がコントロールを失い、強く噛んだり吠えたりするようになることがあります。とくに引っ張りっこや追いかけっこは熱中しやすく、興奮の頂点で終わると、その高ぶった状態が「遊びの正解」として記憶されてしまいます。実際、「遊びのあとに手を噛むようになった」という相談の多くが、終わり方をあいまいにしたことが原因です。遊びは必ず「おしまい」の合図でクールダウンして終わらせ、犬が落ち着いた状態で締めくくるのが鉄則です。興奮が高まりすぎたら一度動きを止め、落ち着いてから再開しましょう。盛り上げることより、上手に冷ますことのほうが、安全な遊びには大切です。
手や体を使って遊ぶと「噛んでいい」と誤解する
飼い主さんの手で犬をじゃれつかせる遊びは、一見かわいく見えますが、「人の手は噛んでもいいもの」と犬に教えてしまう危険があります。子犬のうちは甘噛みで済んでも、成長して力が強くなると、本気で噛む癖につながりかねません。遊ぶときは必ずおもちゃを介して、噛む対象を「手」ではなく「おもちゃ」に向けさせましょう。すでに手にじゃれつく癖がある場合は、噛まれた瞬間に遊びを中断し、「手を噛むと楽しいことが終わる」と教えるのが効果的です。叩いたり大声で叱ったりするのは、恐怖心を植えつけたり、かえって興奮させたりするため逆効果。冷静に遊びを止めることが、いちばん伝わる対応です。
遊びの終わりはいつも飼い主さんが決めましょう。犬が要求するたびに遊びを始め、犬が飽きたら終わる、という流れが続くと、要求吠えが強くなることがあります。「遊ぼう」と吠えても、落ち着いてから始めるようにすると、犬は静かに待つことを覚えます。
道具選びのミスでケガや誤飲を招く
遊びそのものは正しくても、道具選びを誤るとケガや事故につながります。小さすぎるボールは喉に詰まる危険があり、犬の口に対して余裕をもって大きいサイズを選ぶことが大切です。すぐに壊れるおもちゃは、ちぎれた破片を飲み込んでしまう恐れがあるため、その子の噛む力に合った丈夫さを選びましょう。硬すぎるおもちゃは歯を傷めることもあります。遊んだあとは必ず状態をチェックし、ほつれたり欠けたりしたものは早めに処分してください。とくに留守番中に与えるおもちゃは、見ていない間に壊れて誤飲する危険があるため、安全性を最優先に。「楽しい遊び」を「安全な遊び」にするのは、飼い主さんの道具選びと管理にかかっています。
同じ遊びばかりで犬が飽きてしまう
毎日まったく同じ遊びだけを続けると、どんなに好きな遊びでも犬は次第に飽きてしまいます。飽きると反応が鈍くなり、せっかくの遊びが運動にもストレス発散にもなりにくくなります。体を使う遊びと頭を使う遊びを日替わりで組み合わせたり、おもちゃをいくつかローテーションして「久しぶり感」を出したりすると、新鮮さが保てます。すべてのおもちゃを一度に出しっぱなしにせず、数個ずつ入れ替えるだけでも、犬にとっては目新しく感じられます。遊びにメリハリと変化をつけることが、長く楽しんでもらう秘訣です。愛犬がどんな遊びに最も目を輝かせるかを観察しながら、レパートリーを少しずつ増やしていきましょう。
まとめ|犬の遊び方はその子に合わせるのが正解
犬の遊び方には決まった正解はなく、その子の年齢・犬種・体格・性格に合わせて選ぶことが何より大切です。遊びは単なる暇つぶしではなく、狩りの本能を満たし、運動不足とストレスを解消し、飼い主さんとの信頼を深め、脳を刺激して問題行動を防ぐ——犬の心と体を健やかに保つ多くの役割を担っています。室内なら引っ張りっこや宝探し、知育トイ、屋外ならドッグランや匂い嗅ぎ散歩など、選択肢は豊富です。大切なのは、興奮させすぎず合図で上手に終わらせること、そして安全な道具を選ぶことです。
最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。
- 遊びには「本能の発散・運動・信頼づくり・脳トレ」の4つの役割がある
- 室内では引っ張りっこ・宝探し・かくれんぼ・知育トイが手軽でおすすめ
- 屋外はドッグランや持ってこいで運動量を確保し、匂い嗅ぎ散歩も立派な遊び
- 子犬は社会化、成犬は運動量確保、シニアは穏やかな頭の遊びへとシフトする
- 小型犬は短時間、中・大型犬はしっかり発散と、サイズで遊び方を変える
- 興奮させすぎ・手で遊ぶ・道具のミス・マンネリは避けたいNGポイント
- 遊びの終わりは必ず飼い主さんが「おしまい」の合図で決める
まずは今日、愛犬がいちばん目を輝かせる遊びを一つ見つけることから始めてみてください。5分の遊びでも、毎日積み重ねれば犬の満足度は大きく変わります。その子のペースと好みを観察しながら、遊びのレパートリーを少しずつ増やし、愛犬との時間をもっと豊かにしていきましょう。なお、遊びの最中に歩き方や呼吸でいつもと違う様子が気になる場合は、無理をさせず獣医師に相談すると安心です。
※最新の情報は各公式サイト・公的機関のページでご確認ください。
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