散歩中に「あの子、耳おっきくてかわいいね」と声をかけられた経験、犬好きなら一度はあるのではないでしょうか。パピヨンの蝶のような飾り耳、チワワのピンと張った立ち耳、シェパードのりりしい三角の耳。耳が大きい犬は、それだけで表情がゆたかに見えて、つい目で追ってしまいますよね。
結論から言うと、耳が大きい犬は「表情が読み取りやすくてコミュニケーションが取りやすい」という飼い主にうれしい共通点があります。一方で、立ち耳ならではの物音への敏感さや、大きな耳のお手入れなど、迎える前に知っておきたいポイントもいくつかあります。
この記事では、JKC(ジャパンケネルクラブ)の犬種標準をもとに、耳が大きい人気6犬種の性格・体格・寿命を数字で紹介しつつ、大きな耳がもつ役割、暮らしの工夫、正しい耳ケアまでまとめて解説します。「どの子が自分の暮らしに合うかな」と考えながら読んでみてください。
・犬の耳が大きいのはなぜ?大きな耳がもつ4つの役割
・耳が大きい人気6犬種の性格・体重・寿命(JKC基準の数字つき)
・体格や運動量から自分に合う1匹を選ぶ比較のコツ
・大きな耳を清潔に保つ耳ケアの基本とやりがちな失敗
犬の耳が大きいのはなぜ?大きな耳がもつ4つの役割
まず押さえておきたいのが、犬の大きな耳はただの飾りではなく、ちゃんと役割があって育ってきたということです。祖先であるオオカミの立ち耳を色濃く残している犬種ほど、耳が大きく前を向いている傾向があります。ここでは大きな耳が担っている働きを4つに分けて見ていきましょう。
音を集めるアンテナ|大きな耳ほど遠くの音を拾いやすい
大きな耳の一番わかりやすい役割は、音を集めるパラボラアンテナのような働きです。犬の可動耳には片方だけで十数個の筋肉があり、左右バラバラに動かして音源の方向を突き止められます。だからチワワやパピヨンのような立ち耳の子は、飼い主が玄関の鍵を回した瞬間にサッと耳を向けて反応するんですね。牧場で家畜を追っていたコーギーやシェパードにとっては、遠くの物音や指示笛を聞き分ける能力が仕事に直結していました。一方で、この敏感さは室内飼いだと「インターホンや雷にすぐ反応して吠える」という形で出やすいので、子犬期から生活音に少しずつ慣らしておくと後がラクです。いきなり大きな音を聞かせて驚かせるのは逆効果なので、小さな音から段階的に慣らしていきましょう。
体温を逃がすラジエーター|耳の血管が熱を外に出す
意外と知られていませんが、大きな耳は体温調節の役割も担っています。犬は人間のように全身で汗をかけないため、薄くて血管が透けて見える耳の皮膚から熱を逃がしています。表面積が大きい耳ほど放熱しやすく、暑い季節に耳がほんのり温かくなるのはこのためです。だからこそ、耳が大きい犬でも被毛の量やマズルの長さによって暑さへの強さは変わります。たとえば鼻の短いフレンチ・ブルドッグやボストン・テリアは、耳が大きくても呼吸で熱を逃がすのが苦手なので、夏場の散歩は早朝や夜に時間をずらす工夫が欠かせません。「大きい耳=暑さに強い」と単純に考えず、犬種ごとの体のつくりを見てあげることが大切です。
気持ちを伝える表情筋のかたまり|耳の角度で感情がわかる
大きな耳は、犬の気持ちを映すディスプレイでもあります。前に向いてピンと立っていれば興味や集中、後ろにペタッと倒れていれば不安や服従、小刻みに動いていれば迷いのサイン。耳が大きく動きのわかりやすい犬種ほど、こうした感情が読み取りやすいのが魅力です。パピヨンやチワワと暮らしている人が「うちの子は気持ちが顔に出る」と感じるのは、大きな耳が細かく動いて表情を作っているからなんですね。逆に、耳の動きを無視して無理に構い続けると、犬は「サインを出しても通じない」と学習してしまい、いきなり噛むなどの強い反応に飛びやすくなります。耳の角度を観察するクセをつけると、犬との会話がぐっとスムーズになります。
実は「大きい耳=よく聞こえる」とは限らない
ここは誤解されがちなポイントです。耳が大きいと聴力も抜群のように思えますが、実際の聞こえの良さは耳の大きさより「耳をどれだけ自由に動かせるか」で決まる部分が大きいとされています。同じ立ち耳でも、コーギーのように頭に対して耳が大きい子もいれば、シェパードのように体格に見合った大きさの子もいて、聞こえ方に単純な優劣はありません。また、耳が大きくても垂れ耳寄りの構造だと、外耳道に音が届きにくくなることもあります。大切なのは「大きいから安心」と決めつけず、その子が音にどう反応するかを日々観察すること。年齢を重ねて反応が鈍くなってきたと感じたら、生活の中でジェスチャーを併用するなどの工夫をしてあげましょう。
犬が耳を左右バラバラに動かしているときは、複数の音を同時に追いかけている集中モード。この状態のときに名前を呼んでも反応が薄いのは無視ではなく、耳が別の音に向いているだけのことが多いです。落ち着いてから声をかけると、ちゃんとこちらを向いてくれますよ。
耳が大きい犬に共通する3つの魅力と知っておきたいデメリット
耳が大きい犬には、見た目のかわいさ以外にも暮らしの中で実感できる魅力がたくさんあります。ただ、正直にお伝えすると立ち耳ならではの気をつけたい面もあります。良いところも注意点もセットで知っておくと、迎えたあとに「思っていたのと違う」というギャップを減らせます。
表情が読み取りやすくコミュニケーションが取りやすい
最大の魅力は、気持ちが伝わりやすいことです。前述のとおり大きな耳は感情を映すディスプレイなので、うれしい・不安・警戒といった気分の変化が耳の角度に素直に出ます。飼い主側が「今は近づかないほうがいいな」「遊びたいんだな」と察しやすく、信頼関係を築きやすいのが実感できるはずです。特に犬を初めて飼う人にとって、犬のサインが目で見てわかるのは大きな安心材料になります。ただし、耳のサインだけで判断せず、しっぽや姿勢、鳴き声もあわせて読むことが大切です。耳が立っていても体がこわばっていれば緊張している可能性があるので、体全体を見て気持ちを推し量ってあげましょう。
見た目の個性が強く印象に残りやすい
耳が大きい犬は、とにかく顔まわりの印象が強く、写真映えするのも人気の理由です。パピヨンの蝶が羽を広げたような飾り毛、フレンチ・ブルドッグのコウモリ耳、シェパードのりりしい三角耳と、犬種ごとに耳の形が違うので「この子はこの耳」と一目で覚えてもらえます。ドッグランや散歩先で話しかけられやすく、犬仲間ができやすいのもうれしいポイントですね。一方で、立ち耳は成長の途中で片方だけ立ったり、左右で立ち方が違ったりすることもあります。これは骨格の成長やその子の個性によるもので、無理に矯正しようとするとかえってストレスになります。立ち方の個体差も含めて「その子らしさ」として楽しむのがおすすめです。
立ち耳は蒸れにくいが砂やゴミが入りやすい
構造面のメリットとデメリットも知っておきましょう。立ち耳は耳の中が外気に触れて風通しが良く、垂れ耳に比べて内部が蒸れにくいのが利点です。その反面、耳の穴が上を向いて開いているぶん、散歩中の砂ぼこりや草の種、虫などが入りやすいという弱点もあります。特に草むらを好んで歩く子や、地面のにおいを熱心にかぐ子は、帰宅後に耳の入り口をやさしくチェックしてあげると安心です。下の表で立ち耳の良い面と気になる面を整理しました。どちらか一方だけを見て判断せず、両面を理解したうえで日々のケアに落とし込んでいきましょう。
| 立ち耳のメリット | 立ち耳のデメリット |
|---|---|
| 風通しが良く内部が蒸れにくい 気持ちが耳の角度に出て読みやすい 汚れが見えやすくケアしやすい |
砂やゴミ・虫が入りやすい 物音に敏感で吠えやすい傾向 成長途中で立ち方に個体差が出る |
立ち耳がかわいい耳が大きい犬3犬種|パピヨン・チワワ・ボストンテリア
ここからは具体的な犬種を見ていきましょう。まずは室内で飼いやすい小型サイズで、耳の存在感がひときわ大きい3犬種です。いずれもJKCの犬種標準の数字をもとに紹介します。マンションでも迎えやすいサイズ感なので、初めて犬を飼う人にも候補にしやすい顔ぶれですよ。
パピヨン|蝶のような飾り耳をもつ優美な小型犬
耳が大きい犬の代表格といえば、まずパピヨンです。フランス語で「蝶」を意味する名前のとおり、大きく開いた耳に長い飾り毛がついて、まるで蝶が羽を広げたような姿が魅力。原産国はフランス・ベルギーで、体高28cm以下、体重2〜4kgほどの超小型犬です。性格は活発で気品があり、頭の良さでも知られていて、しつけの覚えが早い子が多いのが特徴です。運動量はそこそこ必要で、1日20〜30分の散歩と室内遊びで満たしてあげると落ち着きます。注意点として、飾り毛は毛玉になりやすいので週2〜3回のブラッシングが欠かせません。また賢いぶん退屈すると自分でイタズラを探すので、知育トイなどで頭を使わせる工夫があると穏やかに過ごせます。
| 犬種名 | パピヨン |
| 原産国 | フランス・ベルギー |
| 体高・体重 | 28cm以下 / 2〜4kg |
| 平均寿命 | 13〜15歳 |
| 性格 | 活発・優美・気品があり賢い |
| 飼いやすさ | ★★★★☆(初心者向き度) |
チワワ|体に対して耳の比率が最も大きい世界最小の犬
体の割に耳が大きいという意味で群を抜くのがチワワです。世界最小の純血種として知られ、原産国はメキシコ、体重は1〜3kg(理想は1.5〜2.5kg)というコンパクトさ。その小さな頭に、大きく張った立ち耳がついているので、耳の存在感がとても際立ちます。性格は機敏で注意深く、活発でありながら勇敢な一面もあり、小さな体で堂々と振る舞う姿が愛されています。運動量は室内遊びと短い散歩で足りるため、飼育スペースが限られる家庭でも迎えやすい犬種です。ただし警戒心が強く、来客や物音に吠えやすい傾向があるので、子犬期からいろいろな人や音に慣らす社会化が重要です。寒さが苦手なので、冬は服や暖かい寝床でサポートしてあげましょう。
| 犬種名 | チワワ |
| 原産国 | メキシコ |
| 体重 | 1〜3kg(理想1.5〜2.5kg) |
| 平均寿命 | 13〜15歳 |
| 性格 | 機敏・注意深い・活発・勇敢 |
| 飼いやすさ | ★★★★☆(初心者向き度) |
パピヨンとチワワはどちらも小柄で耳が大きく、この2犬種のいいとこ取りをした「パピチワ」というミックスも人気です。両親の特徴がどう出るのか気になる人は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

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ボストン・テリア|タキシード柄とピンと立った耳の紳士犬
スマートな立ち耳とタキシードのような毛色で「アメリカの紳士」と呼ばれるのがボストン・テリアです。原産国はアメリカ合衆国で、体重は6.8kg未満・6.8〜9kg未満・9〜11.35kgの3区分に分けられています。頭のコーナーにピンと立つ耳が、きりっとした表情を引き立てているのが魅力ですね。性格は友好的で快活、そして高い知性をもち、人と一緒に過ごすのが大好きな家庭犬です。無駄吠えが比較的少なく、しつけが入りやすいので初心者にも向いています。ただし鼻が短い短頭種なので、暑さと激しい運動には注意が必要。夏場の散歩は涼しい時間帯を選び、興奮しすぎて呼吸が荒くなったらこまめに休ませてあげましょう。
| 犬種名 | ボストン・テリア |
| 原産国 | アメリカ合衆国 |
| 体重 | 6.8kg未満〜11.35kg(3区分) |
| 平均寿命 | 13〜15歳 |
| 性格 | 友好的・快活・高い知性 |
| 飼いやすさ | ★★★★☆(初心者向き度) |
存在感たっぷり!個性的な大きい耳の3犬種|フレンチブル・コーギー・シェパード
続いては、小型犬とはまた違った存在感のある耳をもつ3犬種です。コウモリのような耳、頭に対して大きな三角耳、りりしい立ち耳と、それぞれ個性が際立っています。サイズも小〜大型まで幅があるので、暮らしに合わせて選びやすい顔ぶれですよ。
フレンチ・ブルドッグ|コウモリ耳が愛らしい人気者
付け根が広く先が丸い「コウモリ耳(バットイヤー)」がトレードマークなのがフレンチ・ブルドッグです。原産国はフランスで、体高は牡27〜35cm・牝24〜32cm、体重は牡9〜14kg・牝8〜13kgのがっしりした小〜中型犬。ぺちゃっとした鼻と大きな耳のアンバランスさが、なんとも愛嬌たっぷりなんですよね。性格は社交的で活発、遊び好きで人なつっこく、家族と過ごす時間を何より喜びます。運動量はそれほど多くなく、激しい運動より短い散歩と室内遊びが向いています。ただし短頭種のため暑さと呼吸器への負担に弱く、夏の散歩や興奮のさせすぎには注意が必要です。大きな耳の内側は汚れがたまりやすいので、こまめにチェックしてあげましょう。
| 犬種名 | フレンチ・ブルドッグ |
| 原産国 | フランス |
| 体高・体重 | 牡27〜35cm・牝24〜32cm / 牡9〜14kg・牝8〜13kg |
| 平均寿命 | 10〜14歳 |
| 性格 | 社交的・活発・遊び好き |
| 飼いやすさ | ★★★☆☆(初心者向き度) |
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク|頭に対して大きな三角耳が象徴
短い脚とふさふさの体、そして頭に対して大きめの三角耳が象徴的なのがウェルシュ・コーギー・ペンブロークです。原産国はイギリスで、体高約25〜30cm、体重は牡10〜12kg・牝9〜11kgの中型犬。もともと牛を追う牧畜犬だったため、ピンと立った大きな耳で遠くの物音や指示をよく聞き取っていました。性格は大胆で働き者、外向的で友好的、頭も良く運動能力も高いので、一緒にアクティブに過ごしたい人にぴったりです。ただし牧畜犬ゆえにエネルギーが有り余りやすく、運動不足だと吠えや噛みでストレスを発散しがち。1日2回の散歩に加えて、頭を使う遊びやトレーニングを取り入れると落ち着いて暮らせます。抜け毛が多い犬種なので、ブラッシングも習慣にしましょう。
| 犬種名 | ウェルシュ・コーギー・ペンブローク |
| 原産国 | イギリス |
| 体高・体重 | 約25〜30cm / 牡10〜12kg・牝9〜11kg |
| 平均寿命 | 12〜13歳 |
| 性格 | 大胆・働き者・外向的・友好的 |
| 飼いやすさ | ★★★☆☆(初心者向き度) |
元気いっぱいのコーギーは「かわいいけど飼うのは大変?」と気になる人も多い犬種です。抜け毛やしつけの本音を犬種データで掘り下げた記事はこちらです。

「コーギーって飼いやすいの?」と聞かれたら、答えは「条件による」です。短い脚にまんまるお尻、明るくて人懐っこい性格。見た目のかわいさで人気上位に入るコーギーです…
ジャーマン・シェパード・ドッグ|りりしい立ち耳をもつ賢い大型犬
大型犬で耳が大きい犬といえば、まず名前が挙がるのがジャーマン・シェパード・ドッグです。原産国はドイツで、体高は牡60〜65cm・牝55〜60cm、体重は牡30〜40kg・牝22〜32kgという堂々とした体格。前を向いた大きな三角の立ち耳が、りりしくて知的な印象を作っています。警察犬や介助犬として活躍するとおり、性格は安定していて大胆、自信に満ち、訓練が入りやすいのが最大の特徴です。そのぶん運動と頭を使う作業をたっぷり必要とするので、毎日しっかり運動時間を取れる人向き。飼い主との強い信頼関係を築ける犬種ですが、力も強く体も大きいため、子犬期からの一貫したしつけと社会化が欠かせません。初めて犬を飼う人には少しハードルが高い、上級者向けの犬種といえます。
| 犬種名 | ジャーマン・シェパード・ドッグ |
| 原産国 | ドイツ |
| 体高・体重 | 牡60〜65cm・牝55〜60cm / 牡30〜40kg・牝22〜32kg |
| 平均寿命 | 10〜13歳 |
| 性格 | 安定・大胆・自信・訓練しやすい |
| 飼いやすさ | ★★☆☆☆(初心者向き度) |
6犬種を数字で比較|体重・寿命・運動量から自分に合う子を選ぶ
ここまで紹介した6犬種を、体格・寿命・運動量の視点で並べて比較してみましょう。耳が大きい犬といっても、2kgのチワワから40kgのシェパードまで幅広く、暮らしに合う子はライフスタイルによって変わります。数字で見比べると、自分に向いている犬種が見えてきますよ。
体格と寿命で見る6犬種|プロドッグ調べ比較表
まずはサイズと寿命の一覧です。数字はいずれもJKCの犬種標準や一般的な目安をもとにプロドッグがまとめました。小型で長寿な傾向があるのはパピヨン・チワワ・ボストン・テリア、体が大きくなるほど平均寿命はやや短めになる傾向が読み取れます。住まいの広さや家族構成と照らし合わせて、無理なく一緒に暮らせるサイズかを最初に考えるのが失敗しないコツです。飼いやすさの星は、運動量・しつけの入りやすさ・体格を総合したプロドッグの目安なので、参考程度に見てくださいね。
| 犬種 | 体重の目安 | 平均寿命 | 運動量 |
|---|---|---|---|
| パピヨン | 2〜4kg | 13〜15歳 | 中 |
| チワワ | 1〜3kg | 13〜15歳 | 少 |
| ボストン・テリア | 6.8〜11.35kg | 13〜15歳 | 中 |
| フレンチ・ブルドッグ | 8〜14kg | 10〜14歳 | 中 |
| コーギー | 9〜12kg | 12〜13歳 | 多 |
| ジャーマン・シェパード | 22〜40kg | 10〜13歳 | 非常に多い |
運動量で選ぶ|アクティブ派か、のんびり派か
次のポイントは運動量です。ここは飼い主のライフスタイルとの相性がはっきり出る部分なので、正直に自分の生活を思い浮かべてみてください。毎日たっぷり運動に付き合える人や、一緒にドッグスポーツを楽しみたい人には、運動量の多いコーギーやシェパードが向いています。逆に、散歩は1日1〜2回、家でのんびり過ごす時間が多い人には、チワワやパピヨンのような小型犬が合います。フレンチ・ブルドッグやボストン・テリアは激しい運動を必要としませんが、短頭種で暑さに弱いぶん、運動の量より「涼しい時間に無理なく」がキーワードになります。運動欲求を満たせないと、吠えやイタズラといった困った行動につながりやすいので、迎える前に生活リズムとすり合わせておきましょう。
初めての1匹におすすめしやすいのはどの子?
「結局、初心者にはどれがいいの?」という疑問には、しつけの入りやすさと体格のバランスで答えるのがおすすめです。無駄吠えが比較的少なく人なつっこいボストン・テリア、賢くしつけが入りやすいパピヨンは、初めての1匹として付き合いやすい犬種です。チワワも小さくて飼いやすい反面、警戒心の強さゆえに社会化をていねいに行う必要があります。一方、運動量が多いコーギー、力が強く体も大きいシェパードは、犬との暮らしにある程度慣れてから迎えるのが安心です。もちろん個体差や育て方の影響も大きいので、「この犬種だから絶対大丈夫」ではなく、その子に合わせて向き合う姿勢が何より大切ですよ。
耳が大きい犬を迎える前に知っておきたい暮らしの工夫
耳が大きい犬と快適に暮らすには、その特性に合わせた住環境づくりが欠かせません。特に立ち耳の子は音に敏感なので、ちょっとした工夫でお互いのストレスがぐっと減ります。ここでは寝床づくりや部屋のレイアウト、そして先輩飼い主がやりがちな失敗を紹介します。
立ち耳の子は物音に敏感|静かに休める寝床の作り方
耳が大きく音をよく拾う犬にとって、安心して休める静かな場所は必需品です。理由は、常に物音を拾ってしまう立ち耳の子は、人の生活動線のど真ん中だと気が休まらず、睡眠が浅くなりやすいから。寝床はテレビや玄関から少し離れた、壁を背にできる落ち着いたコーナーに置いてあげましょう。ケージやクレートに毛布をかけて薄暗くすると、光と音が和らいで犬が自分から入って休むようになります。子犬期は特に睡眠時間が長く必要なので、静かな環境が成長にも良い影響を与えます。逆に、いつも人の視線や物音が届く場所に寝床を置くと、休みたいのに休めずイライラの原因になるので気をつけてくださいね。
抜け毛・運動量に合わせた部屋づくり
犬種によって抜け毛の量や運動欲求が違うので、部屋づくりもそれに合わせて考えます。コーギーやシェパードのように抜け毛が多くダブルコートの犬種は、掃除しやすいフローリング+滑り止めマットの組み合わせが管理しやすいです。フローリングのままだと足腰に負担がかかりやすいので、よく通る動線にはマットやカーペットを敷いてあげましょう。運動量の多い犬種は、室内でも軽く動けるスペースや、ボール遊びができる導線を確保しておくと雨の日も安心です。小型犬の場合は段差からの飛び降りで体に負担がかかりやすいので、ソファやベッドにはステップを用意するのがおすすめ。犬種の体格と運動量をイメージして、安全に動ける部屋を整えてあげてください。
【失敗パターン】留守番中の物音を放置して吠え癖がついた
ここで先輩飼い主のよくある失敗を一つ紹介します。ある家庭では、耳の大きい立ち耳の子を迎えたあと、留守番中に外の物音や宅配便のインターホンにいちいち反応して吠えるのを「そのうち慣れるだろう」と放置していました。すると犬は「吠えたら物音(=不安の対象)が去っていく」と学習してしまい、かえって吠え癖が強く定着してしまったのです。対策は、物音への反応を放置せず、子犬期から生活音に少しずつ慣らすこと。録音した生活音を小さな音量から流して、静かにしていられたら褒める練習が有効です。また、留守番中は窓の外が見えないようにカーテンを閉めたり、環境音を流して外の音をやわらげたりする工夫も効果的。敏感さは個性なので、叱って抑えるのではなく、環境で刺激を減らす発想で向き合いましょう。
吠えている最中に「ダメ!」と大声で反応すると、犬は「飼い主も一緒に吠えてくれた」と勘違いして、かえって吠えが増えることがあります。吠えたら構わず、静かになった瞬間に褒める。このメリハリが、音に敏感な子の吠え対策の基本です。
大きな耳を清潔に保つ耳ケアの基本とやりがちな失敗
耳が大きい犬と暮らすうえで欠かせないのが、日々の耳ケアです。立ち耳は蒸れにくい構造ですが、大きく開いているぶん汚れやゴミが入りやすいので、定期的なチェックが健康を守る第一歩になります。ここでは頻度や手順、そしてやりがちな失敗を解説します。
立ち耳でも週1回はチェックする習慣を
立ち耳は風通しが良いから安心、と油断するのは禁物です。理由は、耳の穴が上を向いて開いているため、散歩中の砂ぼこりや草の種、抜け毛などが内部にたまりやすいから。週に1回は耳の入り口をやさしくめくって、汚れ・赤み・においがないかを目で確認する習慣をつけましょう。特に草むらを好んで歩く子や、地面のにおいを熱心にかぐ子はゴミが入りやすいので、散歩帰りに軽くチェックすると安心です。子犬のうちから耳をさわられることに慣らしておくと、成犬になってからのケアがぐっとスムーズになります。反対に、見た目がきれいだからと放っておくと、汚れがたまってから気づくことになるので、こまめな観察を心がけてくださいね。
正しい耳掃除の手順とやさしい頻度
耳掃除は「汚れが気になったときに、やさしく」が基本です。手順としては、犬用のイヤークリーナーをコットンに含ませ、指が届く範囲の耳の入り口をそっと拭き取るだけで十分。ゴシゴシこすったり、頻繁にやりすぎたりすると、かえって皮膚を刺激してしまうので、健康な状態なら月に1〜2回程度をめやすにしましょう。ケアのあとにおやつをあげると「耳掃除=良いことがある」と覚えて、次から嫌がりにくくなります。犬が動くと危ないので、落ち着いているタイミングを選び、無理に押さえつけないのがコツです。もし耳の中に強いにおいや赤み、犬がしきりに気にするようすが見られる場合は、自己判断で対処せず、気になるときは獣医師に相談しましょう。
【失敗パターン】綿棒で奥までこすって耳を嫌がるようになった
もう一つ、耳ケアでありがちな失敗を紹介します。ある飼い主は、耳をきれいにしてあげようと綿棒で耳の奥までゴシゴシこすってしまい、犬が痛がって以来、耳をさわられるのを極端に嫌がるようになってしまいました。耳の奥はデリケートで、綿棒で奥を突くと汚れを押し込んだり皮膚を傷つけたりするおそれがあります。正しいのは、あくまで見える範囲の入り口をやさしく拭くこと。一度「耳ケア=痛い・怖い」と覚えてしまうと、慣らし直すのに時間がかかります。対策は、最初から奥を狙わず入り口だけにとどめ、短時間で終わらせて必ず褒めること。嫌がる子は、まず耳をさわるだけ→コットンで軽く拭くだけ、と段階を踏んで少しずつ慣らしていきましょう。
なお、耳が大きい犬とよく比べられるのが、バセットハウンドのような「耳が長い・垂れた犬」です。垂れ耳は立ち耳とはケアのポイントが違うので、興味がある人はこちらの記事もどうぞ。

散歩中に「その子、耳が長くてかわいいですね」と声をかけられる。ふわっと垂れた長い耳は、犬好きなら一度は「うちの子にも」と思う魅力です。でも、いざ迎えようとすると…
まとめ|耳が大きい犬は表情ゆたかで暮らしを楽しくしてくれる
耳が大きい犬は、蝶のようなパピヨンの飾り耳から、りりしいシェパードの立ち耳まで、見た目の個性がとにかく豊かです。そして大きな耳は飾りではなく、音を集める・体温を逃がす・気持ちを伝えるといった役割を担っています。耳の角度で感情が読み取りやすいぶん、犬とのコミュニケーションが取りやすく、初めて犬を飼う人にとっても心強い存在になってくれますよ。
一方で、立ち耳ならではの物音への敏感さや、大きな耳のお手入れといった、迎える前に知っておきたいポイントもあります。特性を理解して環境を整えてあげれば、耳が大きい犬との暮らしはぐっと快適で楽しいものになります。
・大きな耳は「集音・放熱・感情表現」の役割をもつ
・耳が大きい人気犬種はパピヨン・チワワ・ボストンテリア・フレンチブル・コーギー・シェパードの6種
・小型で長寿な傾向があるのは小型3犬種、運動量が多いのはコーギーとシェパード
・立ち耳の子は音に敏感なので、静かな寝床づくりが快適さのカギ
・立ち耳でも週1回はチェックし、耳掃除は入り口をやさしく月1〜2回
・綿棒で奥をこするのはNG。嫌がる子は段階を踏んで慣らす
まず最初の一歩としておすすめなのは、気になった犬種の性格と運動量が、自分の暮らしに無理なくフィットするかをじっくりイメージしてみること。耳の大きさや見た目のかわいさだけでなく、毎日の散歩・お手入れ・住環境まで思い描いたうえで迎えれば、その子との時間はきっとかけがえのないものになります。素敵な犬との出会いを、心から応援しています。
※各犬種の最新の犬種標準は、JKC(ジャパンケネルクラブ)公式サイトでご確認ください。
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