犬のトイレはみ出し対策は7つ|原因別の直し方とトレー選び・囲いのコツも解説

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「トイレシートはちゃんと敷いているのに、なぜか端っこや床にはみ出してしまう」——犬と暮らしていると、トイレのはみ出しは本当によくある悩みです。掃除の手間が増えるだけでなく、床のシミやニオイの原因にもなって、飼い主さんのストレスは意外と大きいですよね。

先に結論をお伝えすると、犬のトイレはみ出しの多くは「しつけの失敗」ではなく、トレーのサイズ・形・置き場所と、犬の体や習性のミスマッチが原因です。だから、原因さえ正しく見極めれば、多くのケースは道具の見直しと少しの工夫で改善できます。叱る必要はほとんどありません。

この記事では、はみ出す6つの原因を整理したうえで、トレー選び・囲いの使い方・オス犬の足上げ対策・子犬とシニア犬で変えたい工夫・しつけの直し方まで、今日から試せる順番で具体的に解説します。「うちの子はどのタイプか」を確かめながら読み進めてみてください。

📌 この記事でわかること

・犬がトイレをはみ出す6つの原因と、自分の犬がどれに当てはまるかの見分け方
・サイズ・形・囲いを踏まえたトイレトレーの選び方と、タイプ別の比較
・足を上げるオス犬、子犬、シニア犬それぞれに合ったはみ出し対策
・叱らずに直すしつけの手順と、やりがちなNG対応

目次

犬がトイレをはみ出す6つの原因|まずはどのタイプか見極めよう

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対策を始める前に大切なのは、「なぜはみ出しているのか」を見極めることです。原因が違えば効く対策も変わります。ここでは犬のトイレはみ出しに多い6つの原因を、行動の理由とあわせて整理します。愛犬の様子を思い浮かべながら、当てはまるものを探してみてください。

トレーが体の大きさに合っていない

もっとも多いのが、トレーのサイズ不足です。犬は排泄の前にクルクル回って場所を決め、姿勢を整えてから用を足します。トレーが小さいと回りきれず、お尻がトレーの縁からはみ出したまま排泄してしまうのです。とくに子犬のころに買った小さめのトレーを、成犬になっても使い続けているケースでよく起こります。目安として、犬がトレーの中で向きを変えても余裕がある広さが必要です。コーギーやダックスフンドのような胴が長い犬種は、体長に対してさらにゆとりを持たせないと、前脚は乗っていてもお尻が外に出てしまいます。まずは「今のトレーで愛犬がゆったり一回転できるか」を確認してみましょう。ここが引っかかっているなら、しつけよりも先にサイズの見直しが近道です。

オス犬が足を上げて排泄している

オス犬は成長にともなって、片足を上げて排泄する姿勢に変わっていくことがあります。これは縄張りを示すマーキングの本能に根ざした行動で、尿を高い位置から飛ばすため、シートの上に立っていても壁のない方向へ勢いよくはみ出してしまいます。足上げが始まる時期には個体差がありますが、生後半年を過ぎたあたりから見られることが多いです。叱ってやめさせようとしても、本能的な姿勢そのものは消えにくく、逆効果になりがちです。この場合は姿勢を変えさせるのではなく、飛んだ尿を受け止められる「壁のある環境」を用意するのが現実的な対処になります。次のH2以降で紹介するL字トレーや囲いが、まさにこのタイプ向けの対策です。

シートが汚れていて足を汚したくない

犬はきれい好きな動物で、汚れた場所に足を踏み入れるのを嫌がります。前の排泄物でシートが汚れていると、犬は汚れていない縁ギリギリや、シートの外に足を置いて用を足そうとします。その結果、体の一部がトレーからはみ出してしまうのです。「留守番の後や朝いちばんにはみ出しが多い」なら、このパターンが疑われます。犬にとっては清潔を保とうとする自然な行動で、しつけの失敗ではありません。対策はシンプルで、こまめにシートを替えて常に清潔な足場を用意すること。1枚を長時間使い回すより、汚れたら替える習慣のほうがはみ出しは減ります。留守が長い日は、吸収量の多いワイドシートや複数枚敷きで対応するのも手です。

落ち着けない場所・シニア期の体の変化

トイレの置き場所が落ち着かないと、犬は排泄を急いで雑になり、はみ出しやすくなります。人がよく通る廊下、テレビの前、食事スペースのすぐ横などは、犬が集中できず失敗の原因になります。また、シニア犬になると筋力の低下や関節の負担から、トレーの段差をまたぎきれなかったり、トイレまで間に合わなかったりして縁でしてしまうことが増えます。若いころは完璧だった子が急にはみ出すようになった場合、加齢による体の変化が背景にあることも少なくありません。これは「しつけが崩れた」のではなく体の事情なので、叱るのは逆効果です。段差の少ないトレーへの変更や、トイレの数を増やして移動距離を短くする工夫が効いてきます。気になる変化が続くときは、念のため獣医師に相談すると安心です。

💡 わんポイントメモ

排泄前にクルクル回るのは、地面の安全確認と姿勢づくりの名残といわれています。野生の名残で「排泄中は無防備になる」ため、周囲を確かめてから用を足す習性が残っているのです。回るスペースが足りないトレーだと、この動作の途中でお尻が外に出てしまいます。

犬のトイレはみ出し対策の基本|今日からできる3ステップ

原因の見当がついたら、まずは土台となる3つの基本対策から始めましょう。特別な道具がなくても取りかかれて、多くのケースでこれだけでもはみ出しがぐっと減ります。順番に試して、どこで改善するかを確かめてみてください。

ステップ1:ワンサイズ大きいトレーに替える

いちばん効果が出やすいのが、トレーを一回り大きくすることです。犬がトレーの中で一回転しても余裕があり、四本の足がしっかり乗ったうえでお尻まで収まる広さが理想です。サイズの目安は、犬の体長(首の付け根からしっぽの付け根まで)にプラス20cm以上。市販のトレーはレギュラー・ワイド・スーパーワイドの3規格が基本で、レギュラーは超小型犬、ワイドは小型〜中型犬、スーパーワイドは大型犬が目安です。迷ったら大きめを選んで問題ありません。広い分には失敗が減り、しつけの面でもプラスに働きます。子犬を迎えたばかりでも、成犬時の体格を見込んで大きめを用意しておくと買い替えの手間が省けます。「サイズを上げただけで解決した」という声が多い、費用対効果の高い一手です。

📌 押さえておきたいポイント

実は、犬のトイレはみ出しの大半は「しつけの問題」ではなく「サイズと配置の問題」です。まずトレーを大きくして、落ち着ける場所に置く——この2つを整えるだけで、叱らずに改善するケースがとても多いのです。しつけの見直しは、環境を整えてからでも遅くありません。

ステップ2:囲いや壁で「中央でする」よう促す

トレーを大きくしても縁でしてしまう場合は、囲いの出番です。トイレの周囲をサークルや壁のあるトレーで囲うと、端に立って外へ向けて排泄しづらくなり、犬は自然とトレーの中央で用を足すようになります。囲いがあると犬自身も「ここが排泄場所」と認識しやすく、落ち着いて排泄できるメリットもあります。手軽なのは、既存のトレーの背面と側面にペットシーツを立てかけたり、100均のワイヤーネットで簡易的な壁を作る方法です。本格的に整えるなら、三方向が壁になった壁つきトレーやトイレ用サークルが便利です。囲いを足すだけで飛び散りと縁での排泄が同時に減るので、足上げ対策としても効果的です。

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ステップ3:シートをこまめに替えて清潔を保つ

3つめは、シートを清潔に保つことです。汚れたシートを避けてはみ出す犬は多いので、排泄のたび、または汚れが目立ってきたら早めに交換しましょう。とくに朝と留守番明けは汚れがたまりやすいタイミングです。全面を毎回替えるのが手間なら、汚れた部分だけ差し替えられるよう2枚並べて敷く、吸収量の多いワイドシートを使うといった工夫で負担を減らせます。清潔なシートは「ここで足を汚さずにできる」という安心感につながり、はみ出しだけでなくトイレ以外での粗相の予防にもなります。ニオイ残りは犬が別の場所で排泄する引き金になるので、交換のついでにトレーもさっと拭いておくと効果が長持ちします。

トイレトレー選びで9割変わる|サイズ・形・囲いの選び方

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はみ出し対策の要になるのがトレー選びです。同じ「犬用トイレ」でも、形や機能によって向き・不向きがはっきり分かれます。ここでは愛犬のタイプに合ったトレーを選ぶための、サイズ・形・囲いの3つの視点を整理します。

サイズは「体長プラス20cm」を目安に

くり返しになりますが、サイズ選びの基準は体長プラス20cm以上です。トレーの中で犬が一回転でき、伏せの姿勢でもはみ出さない広さを確保しましょう。胴長のダックスフンドやコーギー、手足の長い中型犬は、規格表記の対応犬種より一段大きいサイズを選ぶと安心です。逆に、大きすぎて部屋を圧迫する心配がある場合でも、はみ出し対策の観点では小さいより大きいほうが失敗は減ります。子犬期は成長を見込んで成犬サイズを用意し、広すぎて隅で排泄するようならサークルで一時的に範囲を区切るとよいでしょう。サイズが足りているかどうかは、実際に排泄する様子を見て「回るときにお尻が縁に当たっていないか」で判断できます。

形のタイプ別|フラット・壁つき・L字・メッシュ

トレーの形は大きく4タイプに分かれます。フラット型は段差が少なく圧迫感がなく、シニア犬や警戒心の強い子に向きます。壁つき型は入口を除く三方向が囲まれ、尿の飛び散りを抑えられるためトイレトレーニング中の子や中型犬に人気です。L字型は一方向だけ高い壁があり、足を上げるオス犬の飛び散り防止に特化しています。メッシュ型は網がシートを覆い、シートをボロボロにするいたずらや誤飲を防げます。愛犬の困りごとに合わせて選ぶのがコツです。飛び散りが悩みなら壁つきやL字、いたずらが悩みならメッシュ、段差が負担なフラット、というふうに、原因と形を対応させると失敗が減ります。次の比較表も参考にしてください。

タイプ 飛び散り防止 シニア向き 向いている犬
フラット型 × シニア・段差が苦手な子
壁つき型 トレーニング中・中型犬
L字型 足を上げるオス犬
メッシュ型 シートをいたずらする子

囲い・サークルは足し算で使う

今あるトレーを活かしたいなら、囲いを「足し算」する発想が便利です。トレー自体を替えなくても、周囲をサークルで囲ったり、背面に壁を立てたりするだけで、中央排泄を促せます。囲いのメリットは、飛び散りを防ぎつつ犬に排泄場所を明確に示せること。一方で、囲いが密だと掃除の手間が増える、犬が窮屈に感じて入りたがらないといったデメリットもあります。導入するときは、犬が中で一回転できる広さを保ち、出入り口をふさがないことが大切です。囲いは段階的に足せるので、まずシーツの立てかけから試し、効果を見ながらサークルや壁つきトレーへ発展させると失敗が少なくて済みます。

囲いを付けるメリット囲いのデメリット
中央で排泄しやすくなる
尿の飛び散りを防げる
排泄場所を犬に示せる
掃除の手間が増える
窮屈だと入りたがらない
設置スペースが必要

足を上げるオス犬のはみ出しを抑えるコツ

オス犬の足上げによる飛び散りは、トレーを大きくするだけでは解決しにくい悩みです。姿勢そのものを変えるのは難しいので、「飛んだ尿をどう受け止めるか」に発想を切り替えましょう。ここでは足上げ特有の対策を紹介します。

L字トレーや壁つきで飛び散りを受け止める

足上げ対策の本命はL字トレーです。一方向に高い壁があるので、犬が壁側を向いて排泄すれば、飛んだ尿を壁がしっかり受け止めてくれます。設置のコツは、犬が壁のほうを向いて用を足す向きに置くこと。壁を背にしてしまうと意味がないので、犬の排泄する向きを観察してから配置しましょう。L字がなければ、壁つきトレーの高い面を飛ぶ方向に合わせるだけでも効果があります。壁の高さは犬のマーキング位置に合わせて選ぶのがポイントで、体高のある中型犬は低い壁だと越えてしまうことがあります。壁を活かせば、姿勢を無理に直させなくても床や壁紙の汚れを防げます。

マーキング癖との違いを見分ける

足上げには、単なる排泄姿勢の場合と、縄張り主張のマーキングの場合があります。少量の尿をあちこちに引っかけるようにするならマーキングの要素が強く、トイレ以外の場所(家具の脚やカーテンなど)でもする傾向があります。一方、トイレの中で足を上げて普通に排泄しているだけなら、飛び散り対策だけで十分です。マーキング傾向が強い場合は、トイレ対策と並行して、マーキングそのものへのアプローチも必要になります。原因や対処法はケースによって幅があるので、下の記事もあわせてチェックしてみてください。なお、去勢によって足上げやマーキングが落ち着くこともありますが、判断は個体差が大きいため、気になる場合は獣医師に相談しましょう。

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壁側に誘導して排泄の向きを固定する

飛び散りを減らすもう一つのコツは、犬が壁のほうを向いて排泄するよう向きを誘導することです。トレーを部屋の角に置き、二方向を壁で囲むと、犬は自然と壁側を向いて用を足しやすくなります。市販のトイレ用ポール(マーキングポール)を壁側に立てて、そこを狙わせる方法もあります。ポイントは、犬が「ここで足を上げるとしっくりくる」と感じる配置を作ってあげること。向きが定まると飛び散りの方向が予測できるので、その面だけ重点的に汚れ対策をすればよくなり、掃除もぐっと楽になります。いきなり完璧を目指さず、成功した配置をキープしていくのがコツです。

⚠️ 注意しておきたいこと

足を上げて排泄したこと自体を叱るのはNGです。足上げは本能に根ざした姿勢で、叱っても直りにくいうえ、「排泄すると怒られる」と誤解して隠れてするようになる恐れがあります。姿勢を責めるのではなく、環境で受け止める——これが足上げ対策の基本姿勢です。

子犬・シニア犬でトイレ対策はこう変える

同じはみ出しでも、年齢によって原因と最適な対策は変わります。子犬は「これから覚える」段階、シニアは「体の変化に合わせる」段階です。ここでは成長ステージ別に、押さえておきたい工夫を紹介します。愛犬の年齢に合わせて読んでみてください。

子犬期:大きめトレー+成功体験で土台を作る

子犬のトイレはまだ発展途上です。膀胱が小さく排泄回数が多いので、失敗も多くて当たり前。ここで焦って叱ると、トイレそのものを嫌いになってしまいます。ポイントは、成犬サイズを見込んだ大きめトレーを最初から用意し、成功したらすぐ褒めて「ここでするといいことがある」と学ばせること。排泄しそうなタイミング(寝起き・食後・遊んだ後)にトレーへ誘導し、成功したら3秒以内に明るい声で褒めます。1日を通してこの成功体験を積み重ねるのが、はみ出しにくい習慣づくりの土台になります。広すぎて隅でしてしまうときは、サークルで範囲を区切って徐々に広げていくと、失敗を減らしながら教えられます。

成犬期:習慣を固定して「いつもの成功」を増やす

成犬になっても急にはみ出す場合は、環境の変化や習慣のゆるみが背景にあることが多いです。トレーの位置を変えた、シートの銘柄を替えた、来客が増えたなど、思い当たる変化がないか振り返ってみましょう。成犬期の対策は「成功パターンを固定する」ことが軸になります。うまくいっている置き場所・トレー・シートを不用意に変えないこと、そして成功したときにはさりげなく褒めて習慣を強化することが大切です。多頭飼いの場合は、頭数プラス1個のトイレを用意すると、順番待ちによる焦りや取り合いを避けられます。すでに定着している成功を崩さないよう、変更は一度に一つずつ試すのが安全です。

シニア期:段差をなくし、トイレを増やす

シニア犬のはみ出しは、しつけではなく体の変化への配慮で対応します。筋力や関節の衰えで段差をまたぎにくくなるので、縁の低いフラット型やマット型トレーに替えると、無理な姿勢を取らずに排泄できます。また、トイレまで間に合わずに縁でしてしまう子には、生活スペースの複数箇所にトイレを設置して移動距離を短くするのが有効です。寝床の近くにもう一つ置くだけで、間に合わずの失敗が減ることがあります。滑りやすい床は踏ん張りづらくはみ出しの一因になるので、トイレ周りにマットを敷いて足元を安定させる工夫も効きます。加齢にともなう変化が急な場合は、体の不調が隠れていることもあるため、様子を見て獣医師に相談すると安心です。

しつけで直す|叱らずトイレを覚え直させる手順

道具と環境を整えたうえで、しつけの面からも後押ししていきましょう。ここで大切なのは「叱らない」こと。犬のトイレのしつけは、失敗を罰するより成功を褒めるほうが何倍も早く定着します。覚え直しの手順を具体的に見ていきます。

成功した瞬間に「3秒以内」で褒める

しつけの基本は、うまくトレーの中でできた瞬間をすかさず褒めることです。犬は行動と結果を結びつけられる時間が短く、排泄が終わってから時間が経つと、何を褒められたのか分からなくなります。目安は排泄が終わって3秒以内。明るい声で「いいこ」と声をかけ、できればおやつを一粒あげると、「ここでするといいことがある」と強く印象づけられます。これを1日数回、成功のたびに続けると、犬は自分からトレーの中央を狙うようになります。褒めるのは大げさすぎなくてよく、犬が喜ぶトーンで一貫して伝えるのがコツです。地味ですが、はみ出し改善にもっとも効くのがこの「成功を見逃さず褒める」習慣です。

失敗しても叱らない・騒がない

はみ出したり失敗したりしても、叱ったり大声を出したりしないでください。犬は「排泄したこと」を怒られたと勘違いしやすく、飼い主の見ていない場所や隠れた所で排泄するようになってしまいます。これは対策として最悪の展開で、そうじの手間はむしろ増えてしまいます。失敗を見つけたら、犬に反応を見せずに淡々と片付けるのが正解です。ニオイが残ると同じ場所をトイレと勘違いするので、消臭までしっかり行いましょう。「叱らない=甘やかし」ではありません。犬にとって分かりやすい形で正解だけを伝えるのが、遠回りに見えていちばん早い近道です。

⚠️ よくある失敗パターン

「トイレをはみ出したときに叱ったら、ソファの裏やカーテンの陰など、飼い主から見えない場所で隠れて排泄するようになった」——これはとても多い失敗です。原因は、犬が『排泄そのもの』を叱られたと学習してしまったこと。対策は、失敗はノーリアクションで片付け、成功だけを褒めること。いったん隠れ癖がついても、成功体験を積み直せば少しずつ戻っていきます。

排泄しやすいタイミングでトレーへ誘導する

成功の回数を増やすには、犬が排泄したくなるタイミングを狙って誘導するのが効果的です。犬は寝起き・食後・水を飲んだ後・遊んで興奮した後に排泄しやすいので、そのタイミングでトレーへ連れて行きます。ソワソワしたり床のニオイを嗅ぎ回ったりし始めたら、排泄のサインです。うまく誘導してトレーの中でできたら、すかさず褒めましょう。この「サインを読んで誘導→成功→褒める」のサイクルを回すほど、犬は自分から正しい場所へ行くようになります。トイレをサークルの中や落ち着ける場所に配置しておくと誘導もスムーズです。部屋のレイアウトからトイレ環境を見直したい人は、次の記事も参考になります。

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やりがちなNG対応とトイレ設置場所の失敗

最後に、良かれと思ってやったのに逆効果になりがちなNG対応と、見落とされやすい設置場所の失敗をまとめます。ここを直すだけではみ出しが解決することもあるので、心当たりがないかチェックしてみてください。

トイレをベッドや食事場所の近くに置いてしまう

犬は本能的に、寝る場所や食べる場所の近くで排泄するのを嫌います。トイレを寝床やごはんスペースのすぐ隣に置くと、犬は落ち着いて排泄できず、縁ギリギリでしたり別の場所を選んだりします。ある飼い主さんは、省スペースのためにトイレをベッドの真横に置いたところ、犬が端で中途半端に排泄するようになり、位置を50cmほど離しただけで改善したというケースがあります。設置の基本は、寝床・食事場所からは少し離し、人の動線から外れた静かな一角を選ぶこと。犬が集中して排泄できる環境こそが、はみ出しを防ぐ土台になります。トイレとくつろぎスペースはきちんと分けてあげましょう。

ニオイ残りで別の場所をトイレと勘違いさせる

粗相やはみ出しを片付けた後、ニオイが残っていると、犬はそこを排泄場所と勘違いして繰り返してしまいます。とくにカーペットや布製品はニオイが染み込みやすく、普通の拭き取りでは残りがちです。対策は、ペット用の消臭剤でしっかりニオイを断つこと。人の鼻で分からなくても、犬の嗅覚には残っていることがあるので、しつこいくらいに消臭しておくと安心です。逆に、正しいトイレの場所には犬自身のニオイをほんの少し残しておくと「ここが排泄場所」と認識しやすくなります。ニオイのコントロールは、はみ出しだけでなく粗相全般の予防にも直結する地味で重要なポイントです。

環境を一度に変えすぎて混乱させる

はみ出しを直したい一心で、トレー・シート・置き場所を一気に全部変えてしまうのはNGです。犬は環境の急な変化に敏感で、あれもこれも変わると「どこでするのが正解か」が分からなくなり、かえって失敗が増えることがあります。変更は一度に一つずつ。まずサイズを大きくして数日様子を見て、それでも縁でするなら囲いを足す、というように段階的に進めましょう。何を変えたら改善したのかが分かるので、愛犬に合った正解にたどり着きやすくなります。焦らず一つずつ試すのが、遠回りのようでいちばん確実です。犬のトイレのしつけ全般の進め方を知りたい人は、環境省が公開している飼い主向けの資料も参考になります。

Q. 対策を始めてから、どれくらいで改善しますか?
A. 原因によって差があります。サイズや置き場所が原因なら、道具を替えたその日から改善することも珍しくありません。一方、足上げ癖や隠れ癖など習慣が絡む場合は、正しい環境で成功体験を積み直しながら数週間かけて定着させていくイメージです。下の独自比較表も目安にしてください。
原因タイプ 主な対策 改善までの目安
サイズ不足 大きいトレーに交換 当日〜数日
置き場所 静かな一角へ移動 数日〜1週間
オスの足上げ L字・壁つき・囲い 1〜3週間
隠れ癖・習慣 叱らず成功体験を再構築 2〜4週間程度

※プロドッグ調べ。改善までの期間は犬の年齢・性格・環境によって変わります。あくまで目安としてご覧ください。

まとめ|犬のトイレはみ出し対策は「原因の見極め」から

犬のトイレはみ出しは、しつけの失敗というより、トレーのサイズ・形・置き場所と、犬の体や習性のミスマッチが原因であることがほとんどです。だからこそ、まず「なぜはみ出しているのか」を見極めることが、遠回りに見えていちばんの近道になります。原因が分かれば、多くのケースは叱らずに、道具の見直しと少しの工夫で改善していけます。

今日から取り組むなら、次のポイントを押さえておきましょう。

  • トレーは体長プラス20cm以上を目安に、迷ったら大きめを選ぶ
  • 縁でするなら囲いや壁つきトレーで中央排泄を促す
  • オスの足上げにはL字トレーと配置で「飛び散りを受け止める」
  • シートはこまめに替えて、汚れを避けるはみ出しを防ぐ
  • 子犬は成功体験、シニアは段差なし・トイレ増設で対応する
  • 失敗は叱らず淡々と片付け、成功を3秒以内に褒める
  • 環境は一度に一つずつ変えて、何が効いたかを確かめる

まずやってほしい最初の一歩は、「今のトレーで愛犬がゆったり一回転できているか」を確かめること。ここが引っかかっているなら、ワンサイズ大きいトレーへの交換だけで解決することも少なくありません。焦らず一つずつ試して、愛犬にとってもあなたにとっても快適なトイレ環境を整えていきましょう。なお、加齢による急な変化や気になる様子が続く場合は、念のため獣医師に相談すると安心です。※最新の製品情報や仕様は公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

犬の行動学・心理学を独学で学び続けている愛犬家。犬種ごとの性格や飼い方のポイント、しつけの悩み解決まで、犬と暮らす人に寄り添った情報をお届けしています。「犬ともっと仲良くなりたい」すべての飼い主さんを応援するメディアです。

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