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かしこい犬ランキングTOP10|賢さの3基準と頭のいい犬に育てるコツを解説

「うちの犬って賢いのかな?」「これから犬を迎えるなら、かしこい犬種がいいな」と考えたことはありませんか。かしこい犬と暮らすと、しつけがスムーズに進んだり、飼い主の気持ちを汲み取ってくれたりと、毎日がぐっと楽しくなります。ただし、賢い犬には賢い犬ならではの注意点もあるんです。

この記事では、犬の賢さを決める3つの知能タイプから、かしこい犬種ランキングTOP10、小型犬・大型犬それぞれのおすすめ犬種、そして賢い犬に育てるしつけのコツまで、まるごと解説します。

📌 この記事でわかること

・かしこい犬の「賢さ」を決める3つの知能タイプ
・かしこい犬種ランキングTOP10と犬種別の特徴比較
・小型犬・大型犬それぞれで飼いやすいかしこい犬種
・賢い犬に育てるためのしつけのコツと、やりがちな失敗の対策

目次

かしこい犬の「賢さ」はどう決まる?3つの知能タイプを知ろう

「かしこい犬」と聞くと、お手やおすわりをすぐ覚える犬を想像する方が多いかもしれません。しかし犬の賢さには、じつは3つのタイプがあります。カナダの心理学者スタンレー・コレン博士が提唱した分類で、世界中の犬の知能研究のベースになっている考え方です。

作業・服従の賢さ|人間の指示をどれだけ早く理解できるか

飼い主や訓練士の指示を理解し、正しく従う能力のことです。新しいコマンドを覚えるまでの反復回数と、最初の指示で従う確率で評価されます。コレン博士の研究では、最上位グループの犬種は5回以内の反復で新しい指示を習得し、95%以上の確率で正しく従うとされています。ジャーマンシェパードやボーダーコリーがこの能力に優れた代表犬種です。一般的に「しつけがしやすい犬」と言われるのは、この作業・服従の賢さが高い犬種を指しています。ただし、この能力が高い犬種でもトレーニングのやり方を間違えると逆効果になるため、正しい方法で取り組むことが大切です。

本能的な賢さ|犬種が持って生まれた役割をこなす力

犬種ごとに品種改良の過程で磨かれてきた、生まれ持った能力のことです。牧羊犬なら羊の群れを誘導する力、レトリーバーなら獲物を回収する力、テリアなら小動物を追いかける力がこれにあたります。ボーダーコリーが羊の動きを予測して先回りする行動や、ラブラドールレトリーバーが水中の獲物を自発的に持ってくる行動は、教えなくても備わっている本能的な賢さです。この能力は犬種によって方向性がまったく異なるため、「うちの子は賢くない」と感じるケースの多くは、じつはその犬の本能的な賢さが発揮できる場面を提供できていないだけかもしれません。

適応的な賢さ|自分で考えて問題を解決する力

初めて直面する状況で、過去の経験をもとに自分で考えて対処する能力です。たとえば、一度開け方を見ただけでドアノブを回せるようになったり、おやつが隠された場所を推理して探し出したりする行動がこれにあたります。この能力は犬種差よりも個体差が大きく、同じ犬種でも個体によってかなり違いが出ます。普段から知育玩具やノーズワークで「考える経験」を積ませると、年齢を問わず伸ばせる賢さです。逆に、毎日同じルーティンだけで過ごしていると、この能力が十分に発揮されないまま終わってしまうこともあります。

💡 わんポイントメモ

犬の知能は人間の2〜3歳の子供と同等レベルとされています。飼い主の表情や声のトーンから感情を読み取る力も備わっており、言葉そのものよりも「どんな気持ちで話しているか」を敏感にキャッチしています。

かしこい犬ランキングTOP10|犬種別の特徴をプロドッグ調べで比較

コレン博士の研究をベースに、作業・服従の賢さを中心としたかしこい犬ランキングTOP10を紹介します。それぞれの犬種の体高・体重・平均寿命・性格・飼いやすさを一覧にまとめたので、犬種選びの参考にしてください。

1位 ボーダーコリー|全犬種で最も賢い牧羊犬のスペシャリスト

かしこい犬ランキングの頂点に立つのがボーダーコリーです。「最も優秀な牧羊犬」と称され、牧羊犬競技やドッグスポーツの大会で常にトップクラスの成績を収めています。体高46〜56cm、体重14〜22kg、平均寿命12〜15年の中型犬で、運動量は全犬種の中でもトップレベルです。知能の高さゆえに退屈を感じやすく、1日2時間以上の運動と知的な刺激がないとストレスを溜めやすい点には注意が必要です。初心者よりも、犬の飼育経験があり十分な時間と広い環境を用意できる方に向いています。

2位 プードル|愛玩犬のイメージを覆す万能な知性

意外と知られていないけれど、プードルはもともと水鳥の回収犬として活躍していた犬種です。愛らしい見た目からは想像しにくいですが、水中での作業を得意とする運動能力と知性を兼ね備えています。トイ・ミニチュア・ミディアム・スタンダードの4サイズがあり、どのサイズでも賢さは共通しています。トイプードルの場合、体高24〜28cm、体重3〜4kg、平均寿命14〜17年。毛が抜けにくいためアレルギーが気になる家庭にも向いており、初心者からベテランまで幅広い飼い主に人気があります。ただし被毛の手入れは必須で、月1回のトリミングが必要です。

3位〜5位|ジャーマンシェパード・ゴールデンレトリーバー・ドーベルマン

3位のジャーマンシェパードはドイツ原産の使役犬で、警察犬・軍用犬として世界中で活躍しています。体高55〜65cm、体重22〜40kg、平均寿命9〜13年。練習5回で95%の確率で正しく指示に従うという驚異的な学習能力の持ち主です。4位のゴールデンレトリーバーは体高51〜61cm、体重25〜34kg、平均寿命10〜12年で、温厚で社交的な性格から盲導犬やセラピー犬としても活躍しています。5位のドーベルマンは体高61〜72cm、体重32〜45kg、平均寿命10〜13年。警備犬として開発された犬種で、忠誠心が高く判断力に優れています。いずれも大型犬のため、十分な飼育スペースと運動時間の確保が前提になります。

6位〜10位を犬種別データで比較|プロドッグ調べ

順位 犬種名 体高 体重 平均寿命
6位 シェットランドシープドッグ 33〜41cm 6〜12kg 12〜15年
7位 ラブラドールレトリーバー 54〜62cm 25〜36kg 10〜14年
8位 パピヨン 20〜28cm 3〜5kg 13〜16年
9位 ロットワイラー 56〜69cm 36〜60kg 8〜10年
10位 オーストラリアンキャトルドッグ 43〜51cm 14〜22kg 12〜16年

6位のシェットランドシープドッグは小型の牧羊犬で、飼い主への忠実さと感受性の高さが魅力です。8位のパピヨンは小型犬ながらトップ10入りを果たしており、蝶のような大きな耳がチャームポイント。9位のロットワイラーと10位のオーストラリアンキャトルドッグはいずれもタフな作業犬で、しっかりとしたリーダーシップを発揮できる飼い主に向いています。

小型犬でかしこい犬種3選|マンションでも飼いやすいのはどの子?

「かしこい犬を飼いたいけれど、マンション暮らしだから大型犬は難しい」という方も多いはずです。小型犬の中にも、知能の高さで定評のある犬種がいます。ここでは初心者にも飼いやすい3犬種を紹介します。

トイプードル|賢さ・サイズ・抜け毛の少なさの三拍子そろった万能犬

ランキング2位のプードルのうち、日本の住宅事情に最もマッチするのがトイプードルです。体高24〜28cm、体重3〜4kg、平均寿命14〜17年。毛が抜けにくいシングルコートのため、室内を毛だらけにしにくいのが大きなメリットです。学習意欲が高く、芸を覚えるスピードは小型犬の中でもトップクラス。ただし、毛が伸び続けるため月1回のトリミング(5,000〜10,000円程度)がかかる点と、甘やかしすぎるとわがままになりやすい点は覚えておきましょう。子犬期に「ダメなことはダメ」と一貫したルールを教えれば、成犬になっても落ち着いた家庭犬に育ちます。

パピヨン|見た目のかわいさに反して運動神経抜群の頭脳派

体高20〜28cm、体重3〜5kg、平均寿命13〜16年。蝶の羽のように広がる大きな耳が特徴で、小型犬ながらかしこい犬ランキング8位にランクインしています。アジリティ(障害物競走)の小型犬部門では常連の活躍ぶりで、飼い主との息の合ったプレーを楽しめます。明るく社交的な性格で、多頭飼いにも向いています。注意したいのは、体が小さい分だけ骨折リスクが高いこと。ソファやベッドからの飛び降りには段差ステップを設置するなどの対策が必要です。しつけでは、小さいからと抱っこばかりしていると社会化が遅れるため、子犬期から地面を歩かせる習慣をつけましょう。

シェットランドシープドッグ|牧羊犬の血を引く忠実なパートナー

体高33〜41cm、体重6〜12kg、平均寿命12〜15年。小型犬と中型犬の境界サイズで、マンション飼育もギリギリ可能な犬種です。ランキング6位に入る知能の持ち主で、飼い主の感情を読み取る力に長けています。牧羊犬の本能から「まとめたがる」性質があり、小さな子どもや他のペットの動きを追いかけて吠えることがあります。この行動は叱るよりも「追いかけなくてもいい」と別の行動に置き換えるトレーニングが効果的です。被毛はダブルコートで換毛期の抜け毛が多いため、毎日のブラッシングは欠かせません。

⚠️ 注意しておきたいこと

小型犬は体が小さいぶん「しつけをしなくてもコントロールできる」と油断しがちです。しかし、かしこい犬種ほど一貫性のないしつけを見抜いて「吠えれば要求が通る」と学習してしまいます。体のサイズに関係なく、子犬期から明確なルールを設けましょう。

大型犬でかしこい犬種3選|頼れる相棒を探している方へ

広い庭や十分な散歩時間を確保できるなら、大型犬のかしこい犬種は最高のパートナーになります。存在感と知性を兼ね備えた3犬種を紹介します。

ジャーマンシェパード|警察犬の代名詞、学習スピードは全犬種屈指

🐕 犬種プロフィール

犬種名 ジャーマンシェパード
原産国 ドイツ
体高・体重 55〜65cm / 22〜40kg
平均寿命 9〜13年
性格 忠実・勇敢・冷静な判断力
飼いやすさ ★★☆☆☆(上級者向き)

練習5回で95%の確率で指示に従う学習能力は、全犬種の中でも屈指のレベルです。警察犬・軍用犬・災害救助犬として世界中で活躍しており、「かしこい犬」の代表格といえます。飼い主との信頼関係を築ければこの上なく忠実なパートナーになりますが、社会化不足だと見知らぬ人への警戒心が強くなりすぎることがあります。子犬期の生後3〜14週の社会化期に、さまざまな人・犬・環境に触れさせることが重要です。運動量は1日2回・各40分以上が目安で、知的な作業(指示語トレーニング・ノーズワーク)も組み合わせるとストレスを溜めにくくなります。

ゴールデンレトリーバー|家族全員に優しい大型犬の優等生

体高51〜61cm、体重25〜34kg、平均寿命10〜12年。温厚で社交的な性格から、盲導犬やセラピー犬として多くの現場で活躍しています。子どもがいる家庭でも飼いやすい大型犬として人気が高く、攻撃性の低さは犬種の中でもトップクラスです。ただし「優しい=しつけが不要」ではありません。体が大きいぶん、引っ張り癖がつくと散歩のコントロールが困難になります。子犬期のリードトレーニングは生後4か月から始め、「飼い主の横を歩く」習慣を早めに身につけさせましょう。食欲旺盛な犬種のため、肥満防止の食事管理も大切です。

ラブラドールレトリーバー|盲導犬採用率No.1のフレンドリーな知性派

体高54〜62cm、体重25〜36kg、平均寿命10〜14年。盲導犬・警察犬として採用される頻度が高く、人への信頼感と作業への集中力のバランスが優れた犬種です。ゴールデンレトリーバーと比べると、より活発で遊び好きな傾向があります。水が好きな個体が多く、もともと漁師の手伝いをしていた歴史から泳ぎが得意です。注意したいのは「パピー期の破壊力」で、子犬〜若犬の時期(生後6か月〜2歳ごろ)はエネルギーが有り余って家具や靴を噛むことがあります。噛んでいいおもちゃを複数用意し、噛んではいけないものを噛んだ瞬間に「ダメ」と低い声で伝え、すぐにおもちゃに切り替える方法が効果的です。

かしこい犬を飼うメリット・デメリット|賢いからこそ大変な面もある

かしこい犬との暮らしは楽しいことばかりではありません。賢さがプラスに働く面と、飼い主を悩ませる面の両方を正直にお伝えします。

メリット|しつけが早い・コミュニケーションが深い・社会性が高い

かしこい犬の最大のメリットは、しつけの習得スピードが速いことです。「おすわり」「まて」「おいで」などの基本コマンドを1〜2週間で覚える犬種が多く、トイレトレーニングも早ければ数日で定着します。また、飼い主の表情や声のトーンを敏感に読み取るため、言葉にしなくても気持ちが通じ合う瞬間が増えます。ドッグランや散歩先での他の犬との付き合い方も上手で、社会性の高さから多頭飼いにも適応しやすい傾向があります。こうしたコミュニケーションの深さが、かしこい犬と暮らす最大の喜びといえるでしょう。

デメリット|退屈に弱い・悪いことも覚える・飼い主を試す

知能が高い犬は、刺激が足りないと自分で「遊び」を見つけます。それがゴミ箱あさりや家具の破壊、無駄吠えといった問題行動につながるケースが少なくありません。また、「吠えたらおやつがもらえた」「飛びついたら抱っこしてもらえた」など、飼い主の一貫性のない対応を即座に学習し、望まない行動を繰り返すようになります。さらに、かしこい犬は「どこまでやったら叱られるか」の境界線を探る行動をとることがあります。飼い主がブレないルールを持っているかどうかが、賢い犬と快適に暮らせるかの分かれ道になります。

メリット デメリット
しつけの習得が速い(基本コマンド1〜2週間)
飼い主の感情を読み取りコミュニケーションが深い
社会性が高く多頭飼い・ドッグランに適応しやすい
退屈すると問題行動(破壊・無駄吠え)が出やすい
悪い習慣も即座に学習してしまう
飼い主の一貫性がないとルールを無視するようになる

かしこい犬に向いている飼い主・向いていない飼い主

かしこい犬と相性がいいのは、「毎日のトレーニングを楽しめる人」「ルールを一貫して守れる人」「散歩や遊びの時間をしっかり確保できる人」です。逆に、忙しくて留守番時間が長い、しつけに時間をかけたくない、家族間でルールが統一できないという場合は、賢い犬種ほどストレスを溜めて問題行動に発展しやすくなります。犬種の賢さだけで選ぶのではなく、自分のライフスタイルに合っているかどうかを最優先で考えましょう。

かしこい犬に育てるしつけのコツ5選|子犬期から始めたい具体策

犬種の素質はあっても、しつけ次第で賢さの発揮度合いは大きく変わります。ここでは、かしこい犬に育てるための具体的な方法を5つ紹介します。

コツ1|褒めるタイミングは「行動の3秒以内」が鉄則

犬が正しい行動をした瞬間から3秒以内に褒めるのが、学習効率を最大化するポイントです。犬の短期記憶は数秒程度しか持続しないため、行動から時間が経つと「何を褒められたのか」がわからなくなります。たとえば「おすわり」を教える場合、お尻が地面についた瞬間に「いい子!」と声をかけ、すぐにおやつを与えます。5秒後に褒めても犬は「座ったこと」と「褒められたこと」を結びつけられません。タイミングを合わせるコツは、指示を出す前におやつを手に準備しておくことです。1日5分×3セットの短い練習を毎日繰り返すほうが、週末にまとめて30分やるよりも定着します。

コツ2|「ダメ」の伝え方は低い声+無視が基本

やってほしくない行動をしたとき、大声で叱ったり叩いたりするのは逆効果です。かしこい犬ほど飼い主の「大きなリアクション」を刺激として楽しんでしまい、問題行動がエスカレートすることがあります。効果的なのは、低い声で短く「ダメ」と伝え、その後10〜30秒間無視する方法です。犬にとって飼い主からの無視は「つまらない結果」なので、「この行動をしても良いことがない」と学習します。子犬期の甘噛みにも有効で、噛まれた瞬間に「痛い」と低い声で言い、手を引っ込めて背を向けます。これを1日5〜10回の甘噛みのたびに繰り返すと、2〜3週間で噛む頻度が減っていきます。

コツ3|知育玩具とノーズワークで「考える習慣」をつける

かしこい犬の脳を適切に使わせるには、フードを隠した知育玩具やノーズワーク(嗅覚を使った探索遊び)が効果的です。知育玩具は、おやつを中に入れて転がしたり引っ張ったりしないと取り出せない構造のもので、留守番時間の暇つぶしにもなります。ノーズワークは、最初は部屋の隅にフードを置いて「探して」と指示するところから始め、慣れたら箱の中やタオルの下など難易度を上げていきます。1回10〜15分程度で十分な満足感を得られるため、雨の日の室内運動としても重宝します。子犬期から始められますが、シニア犬でも取り組めるため、年齢を問わず脳の活性化につながります。

📌 押さえておきたいポイント

ノーズワークは犬の嗅覚を活かした遊びで、体力を消耗しにくいシニア犬にも向いています。15分のノーズワークは30分の散歩と同じくらいの精神的な疲労感を与えるとも言われており、雨の日や体調が優れない日の代替運動としても活用できます。

コツ4|社会化トレーニングは生後3〜14週がゴールデンタイム

犬の社会化期は生後3〜14週で、この期間にどれだけ多くの「初めて」を経験させるかが、成犬になったときの性格に大きく影響します。家族以外の人、他の犬、車の音、掃除機の音、さまざまな床材(フローリング・砂利・マンホール)など、日常で遭遇するものに少しずつ慣れさせましょう。具体的には、1日1つ新しい体験を取り入れるペースで十分です。ただし、怖がっているのに無理やり近づけるのは逆効果で、恐怖の記憶が定着してしまいます。犬が自分から近づくまで待ち、近づけたらすぐに褒めておやつを与えるのが正しい手順です。社会化期を過ぎた成犬でも時間をかければ新しいことに慣れることはできますが、子犬期の数倍の時間と根気が必要になります。

かしこい犬と暮らすときにやりがちな失敗3つと対策

かしこい犬を飼い始めた方がつまずきやすいポイントを3つ紹介します。失敗パターンを知っておくだけで、同じミスを避けられます。

失敗1|「賢いからしつけ不要」と放置してしまう

「この犬種は賢いから、自然と良い子に育つだろう」と思い込んで、子犬期のしつけを後回しにしてしまうのはよくある失敗です。知能が高い犬ほど、しつけの「空白期間」に自己流のルールを作り上げてしまいます。たとえば、トイプードルの子犬が「吠えたらケージから出してもらえた」という経験を数回するだけで、「吠える=自由になれる」と学習し、要求吠えが定着してしまいます。対策は、迎え入れた初日からルールを決めてブレずに実行すること。「ケージの中で静かにしていたら出す」「吠えている間は目を合わせない」というルールを家族全員で統一しましょう。

失敗2|家族間でルールがバラバラになる

お父さんは「ソファに乗っていいよ」、お母さんは「ソファはダメ!」、子どもはこっそりおやつをあげる——家族間でルールが統一されていないと、かしこい犬は「誰に対してどの行動をすれば得か」を瞬時に計算するようになります。結果として、お母さんの前だけ大人しく、お父さんの前では好き放題という使い分けが始まります。対策は、犬を迎える前に家族会議でルールを決め、紙に書いて冷蔵庫に貼っておくこと。「ソファに乗ってよいか」「おやつをあげるタイミング」「食卓の食べ物をあげるか」など、具体的な項目を全員で確認しておきましょう。

失敗3|散歩中にリードを強く引いて「力で制御」しようとする

大型のかしこい犬が散歩中に引っ張ったとき、力でリードを引き戻す方法をとると、犬は「引っ張り合い」だと認識してさらに強く引くようになります。特にジャーマンシェパードやラブラドールレトリーバーのような力の強い犬種では、力比べでは人間が負けてしまい、最終的に散歩自体がストレスになって散歩嫌いに発展するケースもあります。効果的な方法は、犬が引っ張った瞬間に立ち止まり、リードが緩むまで動かないこと。リードが緩んだ瞬間に「いい子!」と褒めて歩き出します。最初の1〜2週間は散歩のペースが遅くなりますが、犬は「引っ張らないほうが先に進める」と学習し、自発的にリードを緩めて歩くようになります。

💡 わんポイントメモ

かしこい犬の問題行動の多くは「退屈」と「ルールの不一致」が原因です。問題行動が出たときは犬を叱る前に「運動は足りているか」「家族全員がルールを守っているか」を振り返ってみてください。原因を取り除けば、賢い犬ほど行動の改善も速いです。

かしこい犬の年代別トレーニング|子犬期・成犬・シニア犬で変えるべきこと

かしこい犬のトレーニングは、年齢によってアプローチを変える必要があります。ライフステージごとに最適な方法をまとめました。

子犬期(生後2か月〜1歳)|基礎固めと社会化に全力を注ぐ時期

この時期は脳の発達が最も活発で、学習効率が生涯で一番高い時期です。基本コマンド(おすわり・まて・おいで・ふせ)を1日5分×3セットの短いセッションで教えていきます。1つのコマンドが8割の確率で成功するようになったら次のコマンドに進むのが目安です。トイレトレーニングは迎え入れ初日から開始し、成功したらすぐに褒める方式で進めると、早い犬種なら1〜2週間で定着します。社会化期(生後3〜14週)にはさまざまな環境・人・犬との触れ合いを積極的に経験させましょう。ただし、ワクチン接種が完了していない時期は、抱っこで外の景色や音を体験させる程度にとどめ、地面への接触は獣医師と相談して判断してください。

成犬(1歳〜7歳)|応用トレーニングで知的好奇心を満たす時期

基礎が固まった成犬には、より高度な指示語(「持ってきて」「片付けて」「あの人のところへ行って」)や、ドッグスポーツ(アジリティ・フライボール・ドッグダンス)に挑戦させると、知能を存分に活かせます。日常生活では「散歩コースを日替わりにする」「新しいおもちゃを月1回導入する」など、マンネリを防ぐ工夫が大切です。成犬期に入ると落ち着きが出てくる犬種が多いですが、ボーダーコリーやジャーマンシェパードのような作業犬タイプは成犬になっても高い運動量と知的刺激を必要とします。「うちの子は落ち着いてきたから散歩を減らそう」と判断する前に、犬種ごとの運動量の目安を確認しましょう。

シニア犬(7歳〜)|体に負担をかけず脳を活性化する時期

シニア期に入ると関節や筋力の衰えが出てくるため、激しい運動よりもノーズワークや知育玩具など、体への負担が少ない知的活動にシフトします。嗅覚は犬の五感の中で最後まで衰えにくい感覚なので、ノーズワークはシニア犬の脳トレとして最適です。トレーニングの回数は1日2〜3回に減らし、1回あたり3〜5分程度の短いセッションにしましょう。新しいコマンドを覚えるのに若い頃より時間がかかりますが、学習能力がゼロになるわけではありません。「新しいおもちゃの遊び方を教える」「おやつをハンドシグナルで指示する」など、無理のない範囲で脳に刺激を与え続けることが認知機能の維持につながります。

Q. シニア犬になってから新しいしつけを始めても間に合いますか?
A. 間に合います。犬の学習能力は年齢で完全になくなるものではありません。シニア犬は新しいことの習得に子犬の2〜3倍の時間がかかりますが、根気よく褒めて繰り返せば覚えられます。体への負担が少ないノーズワークや「お手」「タッチ」などの簡単なトリックから始めるのがおすすめです。

まとめ|かしこい犬との暮らしを最大限に楽しむために

かしこい犬は、正しいしつけと十分な刺激を与えれば、飼い主の最高のパートナーになってくれます。賢さには「作業・服従」「本能」「適応」の3タイプがあり、犬種によって得意な分野が異なります。ランキング上位の犬種だけが優れているわけではなく、どの犬にもそれぞれの賢さがあることを忘れないでください。

この記事のポイントを振り返ります。

  • 犬の賢さはコレン博士の研究による3つの知能タイプ(作業・服従、本能、適応)で分類される
  • かしこい犬ランキング1位はボーダーコリー、2位はプードル、3位はジャーマンシェパード
  • 小型犬ではトイプードル・パピヨン・シェルティが知能の高さで定評がある
  • かしこい犬は「退屈」と「ルールの不一致」に弱く、問題行動につながりやすい
  • 褒めるタイミングは行動の3秒以内、1日5分×3セットの短い練習が効果的
  • 子犬期・成犬・シニア犬でトレーニングのアプローチを変えることが大切

最初の一歩は、今日から「愛犬の得意なこと」を1つ見つけてみることです。おもちゃを持ってくるのが上手なら回収系のゲームを、鼻が利くならノーズワークを試してみてください。犬の「好き」と「得意」を伸ばすしつけは、犬にとっても飼い主にとっても楽しい時間になります。かしこい犬との暮らしは、お互いの理解が深まるほど、もっと豊かになっていきます。

※犬種の体高・体重・平均寿命は個体差や血統によって異なります。気になることがあれば獣医師に相談しましょう。

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この記事を書いた人

犬の行動・心理・しつけ・犬種選び・暮らし方を、愛犬家の目線でわかりやすく解説する犬の総合情報メディアです。「なぜ遠吠えするの?」「撫でると喜ぶ場所は?」「トイレトレーニングはいつから?」——愛犬との毎日がもっと楽しくなる知識をお届けしています。犬種ごとの性格や飼いやすさの比較、散歩・睡眠・室内飼いの工夫まで、初めて犬を飼う方からベテラン飼い主さんまで役立つ情報を発信中。運営は株式会社てまひま(名古屋市)。

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